「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

理解されなかった政策、強引過ぎたのか、トラス英政権の引き際

 

 トラス英政権があっけなく終わりを迎えるといいます。就任後に発表した大型減税計画が躓きのもとになったようです。党首選での公約だったので、早急に実行に移そうとしたことがあだになったのでしょうか。もう少し時の流れに合わせ、慎重に進めることができたなら、違った展開になったのではないでしょうか。

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 国内では環境省が「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」(仮称)の発足式を25日に開催すると公表しました。2050年のカーボンニュートラル達成、2030年度削減目標の実現に向けて、国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を後押しするためといいます。

 

 

 国が何か新しいことを始めようとすると、批判はつきものです。

 エネルギー危機が起こり、安価で十分なエネルギーの確保がままならなくなる中で、どうなのだろうかと疑問の声をあげる人もいるようです。十分なエネルギーがなければ豊かな暮らしができなくなるとの指摘は正論なのでしょう。

脱炭素に向けた国民運動は世界の流れに逆行しないか | アゴラ 言論プラットフォーム

脱炭素を遅らせるものの、再エネ賦課金の廃止、石炭火力発電のフル稼働、原子力発電の再稼働などを進めることによってどれだけエネルギー価格が下がるのかも公平に示したうえで、産業界や全国民に比較・検討の機会を提供することこそが真の国民運動と言えるのではないでしょうか。(出所:アゴラ)

 記事はエネルギー確保を優先しているのが今の世界の潮流で、そうあるべきであろうと主張し、エネルギー価格の低下につながる施策評価を明確にすべきといいます。

 

 

論語に学ぶ

民は之に由(よ)ら使む可(べ)し。之を知ら使む可からず。(「泰伯第八」9)

  この章はいろいろな読みがあるといいます。いちばん専制的な読みは、「人民は政府の施策に従わせねばならない、だが、なぜそうした施策をおこなうのか、その理由をしらせてはならない」と解します。

 しかし、それはありえないとし新注では、「人民は政府の施策に従わせることはできるが、その理由をいちいち理解させることはできない、理解させるのが正しいのではあるけれども、残念ながら現実の問題としてそれはできない」とよみます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 仮にも為政者が噓偽りのない人格者で、徳に従った政治ができるのなら、常に思いやりのある政治ができるのなら、専制的な読みもあるといいます。それが孔子の本意との指摘もあります。

「人民のために幸福な生活の場を作くることが政治の目的ではないかのか」、「力に頼らず、わからぬうちに、人民みなが幸福になっているのが理想ではないのか」。

 しかし、現実においては難しいことなのでしょう。施策の理由を理解させることはできないまでも、理解させるために努力は欠かせず、時に遠回りの道を選択しなければならないときもあるのではないでしょうか。

 

 

 自民党新潟3区の斎藤衆院議員が取材で、昨年の衆院選前に教団の関連団体の推薦確認書に署名していたと認めたといいます。

 教団側が選挙支援の条件を明示した事実上の「政策協定」になっているといい、教団と自民党の関係の深さが浮き彫りになったとJIJI.comは指摘しています。

 しかし、公にしたことはよいことだったのではないでしょうか。

旧統一教会、自民議員と「政策協定」 衆院選の支援条件、署名も―岸田首相、実態把握の意向:時事ドットコム

 首相は、こうしたことで政策決定に影響することが無いとの語ったようですが、どうなのでしょうか。これまでは類似する方向に政策が調整されていたように感じます。

「人々のために幸福な生活の場を作る」に近づいているのでしょうか。少なからずとも、現実はそれから離れていくばかりになっているように感じます。 

 

「参考文書」

トラス英首相が辞任発表、減税案で混乱-後任は24日にも決定へ - Bloomberg

「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」(仮称)発足式の開催について | 報道発表資料 | 環境省