「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

支持率は回復するのか、中国首相が参加する会議で名指しして批判する首相

 

 支持率回復を急ぎたいからでしょうか、岸田首相が外遊先で精力的に動き、積極的に発言しているようです。

 カンボジア プノンペンで開催された東アジアサミットでは、中国の李克強首相が参加する中、「東シナ海で中国による日本の主権を侵害する活動が継続、強化されている」と名指しで批判したそうです。

岸田首相「中国は日本の主権侵害」 名指しで批判―東アジアサミット:時事ドットコム

 記事によれば、中国が8月に実施した軍事活動に言及、EEZ 排他的経済水域内に弾道ミサイルが落下したことにも触れ、また、香港情勢や、新疆ウイグル自治区の人権状況にも「深刻な懸念」を表明したといいます。

 この会議には、バイデン米大統領、ラブロフ露外相らが出席していたそうです。

 

 

 自民党の最大派閥を意識した発言なのでしょうか。それで党内の安定は謀れるのかもしれませんが、地域の緊張を高めることにならないかと心配になります。

 また、首相はバイデン米大統領とも会談し、安全保障環境が厳しさを増しているとし、日米同盟の抑止力と対処力の一層の強化を図ることで一致したといいます。

 東シナ海や北からミサイルの発射問題、ウクライナ情勢などをテーマにあげたようです。

日米首脳 同盟の抑止力と対処力 一層の強化図ることで一致 | NHK | 日米首脳会談

 その上で、首相は防衛費の増額する方針を説明し、日本の防衛力を抜本的に強化すると伝え、バイデン大統領は支持する考えを示したそうです。

 米国が特に反対する道理もないのでしょう。バイデン大統領が、駄々をこねる子どもをあやすように、話しを聞いている父親のように見えます。こんなことで良いのでしょうか。

 

 

 首相は保守リベラルを体現してきた派閥「宏池会」に所属していますが、宏池会らしからぬ人のように映るようです。

昭和史を見つめてきた作家・保阪正康が岸田総理を斬る「宏池会の系譜に学ばぬ首相に失望した」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2) 

「外交面では宏池会的な平和主義の哲学が見られない」と、記事筆者は指摘し、経済にしても、「アベノミクスの弊害がいかに国民を窮地に追いやっているかという大局的な流れを見極めて現在に有効な政策を打つという構えがない」といい、優れた政治家の宝庫だった宏池会の豊かな系譜から学びがなく、また何を引き継いでいくのか、まったく見えず、その役割も果たしていないといいます。

これでは、前政権までの身内で固められた閉鎖的な権力構造を転換して、国際社会で日本の存在感を示すことはできません。(出所:現代ビジネス)

 また優秀なブレーンがいないとも指摘、政策集団としてブレーンを引きつける魅力がなく、ブレーンをつくる能力もないといいます。

権力をもつ総理総裁のもとに人が集まるのは必然なことで、これまでの首相もそうだったのでしょう。現に今の最大派閥は何名もの総理総裁を輩出しています。

 政治的趣きがやや異なる宏池会の首相が誕生し、勢力を拡大させていくのかと期待しましたが、どうやら期待外れで、傀儡のようにさえ見えてしまいます。

 

 

論語に学ぶ

弟子入りては則ち孝、出でては則ち悌たれ。謹みて信、汎く衆を愛して仁に親(ちか)づけ。行ないて余力あらば、則ち以て文を学べ (「学而第一」6)

 勉学を必要とする若者は「孝」に努め、社会に出たのであれば、「悌」、目上の人に従え。常に言行を謹み、言行を一致させ、大衆を愛し、「仁」に近づけ。それらを行なって、なおまだ余裕があるならば、優れた文献を学ぶことと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 政党に入党し、どこかの派閥に所属したなら、その派閥のルールや文化を守り、また先人たちに従うことがまず基本ということなのでしょう。その上で、「信」に勤めて、「仁」、現代であれば包摂的な社会の実現を目指せと、孔子は言っているのではないでしょうか。

 こうしたことを行いながらも、学ぶことで、自分の体験を抽象化し、自身の知恵に変えて、それを次の実践で活かせといっているのでしょう。  

 

 首相はベトナムのファム・ミン・チン首相とも会談したそうです。チン首相からは「核なき世界の実現に協力したい」との話もあったといいます。

岸田首相、ベトナム首相に「核不使用、共に声を」 ブルネイにLNG安定供給要請:時事ドットコム

 何なのでしょうか。これがもし首相の目指すものであるなら、もっと拡大できるよう、言行一致に努めるべきなのでしょう。ちぐはぐな行動になっていることがわからない鈍感な首相に求めることは無理なことなのでしょうか。

 もしかしたら「器」ではないということかもしれません。