「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

グリーンGDPとウェルビーイング・エコノミー、経済指標を見直すべきなのか

 

 暑すぎる夏、いつまでも続く長雨、やはり天候が穏やかなでないと、不安を感じたりするものです。しかし、それはごく当たり前のことではないでしょうか。水不足にならないかとか、農業への影響はないだろうかと心配します。

 景気の良し悪しも、気になることのひとつです。現在の経済システムに慣れ過ぎているからこそ、感じることなのかもしれません。

「失われた30年」といわれ、デフレが悪いと聞かされ、GDP成長率など経済指標を気にするようになり、いつしかそれに振り回されるようになってはいないでしょうか。

「大胆な金融緩和」「史上空前の経済対策」、そんな威勢のいい言葉に煽られ、あくせくしてみてところで、経済指標は思うように改善しませんでした。語気を荒げ成長戦略が強調されましたが、借金に借金を重ねて、気づけば国の借金は1000兆円を超えるまでに膨れ上がりました。結果だけから見れば、一体何をやってきたのだろうか思わざるを得ません。こんなことでは将来不安は増すばかりです。これが今までだったのかもしれません。

 

 

ウェルビーイング・エコノミー」という言葉に目が止まります。

 これまで問題を数多く生みだしてきた経済システムをアップデートし、経済活動を、社会や自然界の他のものの一部としていくものといいます。いわば「私たちを幸福にする経済」ということのようです。

人々の生活と地球環境を豊かにする「ウェルビーイング・エコノミー」とは【ウェルビーイング特集 #37 新しい経済】 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

高い成長率だけを目指すのではなく、緩やかに成長できるような新しい経済や産業社会のあり方を考える。(出所:Forbes)

 こういう経済があってもいいのではないでしょうか。高い成長率は物欲を満たしてくれる原動力になるのかもしれませんが、そうあっても、みなが必ずしも幸福になれるということはないのではないでしょうから。

論語に学ぶ

子 罕(まれ)に利を言うとき、命(めい)と与(とも)に、仁と与にす。(「子罕第九」1)

 孔子が「利」について言及するときは、「命」や「仁」をともにしていたといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子の言葉と「ウェルビーイング・エコノミー」には親和性があるのかもしれません。

 孔子が説く「利」には、使命があり、そこには「仁」、人々が希求する幸福の実現があるということなのでしょう。これこそが一義であり、道理であり、その実行が「徳」ということなのでしょうから。

 

 

 かつてはGDPが国の豊かさを現わす指標だったのでしょうか。それ故、この指標の成長率を重んじてきたのかもしれません。ただ世の中が変わってきています。いつまでもこの指標ばかりを追い求めることが善いことなのでしょうか。

 経済指標は多数ありますが、その中で重みづけが変わってもいいのではないでしょうか。もっと人の感情に直接影響し、幸福度を表すものが重視されればいいのかもしれません。

 GDPはあくまで国の経済規模を知るだけの確認事項であって、目標としないほうがよいのではないでしょうか。

 内閣府が「グリーンGDP」という新たな指標を公表したといいます。環境への負荷を踏まえた経済の成長率を示す指標のようです。これだけではまだ不十分かもしれません。

 

「参考文書」

「三方よし」を実現する「ウェルビーイング・エコノミー」に企業はどう向き合うべきか | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)