国連が、「世界一幸せな国」のランキングが発表しました。例年の如く、北欧の国々が上位に名を連ねています。
日本の順位は47位、昨年の54位からは改善したそうですが、G7 主要7カ国の中では最下位の結果といいます。
世界で最も幸福な国ランキング・トップ10 [2023年版] | Business Insider Japan
日本と上位の国々を比べると、健康寿命では日本が上回り、1人あたりGDPにも上位と大きな差はなかったものの、人生の選択の自由度や寛容さに課題があることが示された。(出所:SDGs Action 朝日新聞デジタル)
米国は15位、隣国韓国は57位、中国は64位、ロシアは70位で、ウクライナは92位、最下位はアフガニスタンとの結果だったといいます。
米国ばかりを気にかけるのではなく、もうそろそろ社会保障が充実する北欧型の民主主義社会を目指してみるものもいいのではないかと感じます。
利己的な米国
中国が、米国主導で開催された「民主主義サミット」について非難し、「米国の傲慢、偏執、利己主義を反映している」と強く反発したといいます。
「米国は傲慢で利己的」 民主主義サミットに反発―中国:時事ドットコム
記事によると、民主主義サミットには中国やロシアは招かれていなかったそうです。
こうした取り組みが中国には「非民主的、不寛容、不透明」に映り、米国が世界の分断と対立をあおっていると強調したそうです。
中国の立場を全面的に支持はしませんが、一理はあるのかもしれません。
日本も過去において、米国との貿易摩擦による対立で苦渋の選択を迫られ、結果的に日本経済が停滞する事態に陥りました。
民主主義
ウクライナ問題で、欧米と日本は団結しましていますが、発展途上国は先進国と同じようにこの問題を受け止めていないといわれます。
世界人口の3分の2は親ロシアか中立? エコノミスト誌「民主主義指数調査」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
記事によれば、世界人口の3分の2は、親ロシアもしくは中立の立場にある国に住んでいるといいます。先進国はこうした国々を説得できず、ロシアに明確に対抗することができないままでいるといいます。
その背景には、世界秩序への失望があり、また、西側諸国が、自分たちの問題に介入してくるため、西側の偽善を軽蔑しているなどの理由があるそうです。
また、現実として、ロシア産資源への依存の影響もあるといいます。
論語に学ぶ
由の瑟(しつ)、奚為(なんす)れぞ丘(きゅう)の門に於いてする、と。門人 子路を敬せず。子曰わく、由や堂に升(のぼ)れり。未だ室に入らず、と。(「先進第十一」15)
弟子の子路の「瑟」の弾き方は勇ましいばかりで、わが塾では無理であると孔子が評します。すると門人たちは子路に敬意をはらわなくなりました。孔子は「由君(子路)は、すでに堂に昇っている。まだ室に入っていないだけだ」といったといいます。
「堂」は正式な諸儀式を行う場、「室」は生活の場。
子路が正式な「堂」には昇っているものの、奥の「室」、すなわち音楽の妙処にはまだ接していないというと意味するといいます。
日本らしさ
G7の民主主義も子路の「瑟」と同じで、勇ましいばかりでまだ「室」の域、その妙味に達していないようにも感じます。
米国にただ追従するのではなく、妙味を日本らしさに求めるようにできれば、展開にも変化があるのかもしれません。
ただ日本らしさというのがあやふやで、確固したものがなくなっているのかもしれませんが。
かつては「不戦」「核廃絶」「技術立国」「貿易立国」「国民皆保険」、日本らしさを表す言葉が多数ありましたが、これらがみな色褪せ、アップデート、進化ではなく何か怪しげな色に染まりはじめているのではないと心配になります。
ウェルビーイング
国連の世界幸福度報告書では、「将来世代の幸福を確保するために、SDGsをウェルビーイングと環境政策の両側面から広げていく必要がある」と指摘しているそうです。また、利他主義と主観的なウェルビーイングとの関係や、ソーシャルメディアのデータを用いたウェルビーイング分析などについても言及しているといいます。
こうしたことを国として積極的に検討していくのもよさそうです。
「参考文書」
【世界幸福度ランキング】日本の幸福度、2023年は47位に上昇 トップは6年連続の…:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル