外国人観光客の入国が再開されました。まだ一部規制も残り、限定的といいますが、インバウンド需要の復活に期待が高まっているといいます。
インバウンド消費が一気に復活することはないとの見方が多いようですが、旅行業や外食業を含めて国内景気を押し上げるきっかけになるのではないかと言われています。コロナ渦以前に戻ることはないのかもしれませんが、社会に活況を戻ればいいのでしょう。
一方で、このコロナ渦を境にして、国際情勢が変化していることが気になります。
ウクライナ情勢は解決に向かわず、中国でのコロナ禍で供給網が影響を受けました。また、米中がますます対立するようになり、日本も巻き込まれそうです。インバウンドには影響はないのではないでしょうか。この先の変化を思えば、少々不安を感じたりもします。
この禍を経験することで価値観が少し変わってきてはいないでしょうか。
読売新聞は、今年の新入社員は、学生時代にオンライン講義が多かったため、対面で教員などに会う機会が少なく、フォーマルな対人関係に弱いといいます。
Z世代の新入社員「仕事よりも私生活」8割超、コロナで対面講義少なく「人間関係」に不安 : 読売新聞オンライン
コロナ渦の影響ということなのかもしれません。他にも人々の意識に与えた影響は多々あるのではないでしょうか。
論語に学ぶ
曾子曰く、吾 日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしか、と。(「学而第一」4)
弟子の曾子は毎日反省していたそうです。「他者のために相談にのりながら、いい加減にして置くようなことはなかったか、友人とのつきあいで、ことばと行ないとが違っていなかったか、まだ十分に身についていないのに他者に与えてしないか」というふうにしていたそうです。
コロナ渦の終わりが見えてきた今この時、顧みるときなのかもしれません。この間、人のために「忠」まごころを尽くしてきたのか、友に対して、ほんとうに誠実であったか、そんなことから振り返ってもよさそうです。
人にまごころを尽し、友人に誠をささげることは立派なことです。しかし、現実世界において、あらゆる人、あらゆる友人にそうすることが果たしできるだろうかと、桑原武夫は疑問を投げかけます。
「人とは何か。友とは何か」。
曾子は理想論を述べていますが、その裏には、人の間に親近と疎遠の別があって当然とし、友の選択の必要を説いているといいます。まずは小さい範囲で忠信を尽し、さらにおのれの能力に応じて行動半径を広げてゆくことを求めているといいます。
いま、再び動き出すとき、心に留め置くべきことなのかもしれません。
変わる東大生の意識
東大生の意識も変わっきたと朝日新聞が報じています。
東大・各務茂夫教授 「優秀な東大生は意識してスタートアップに行く」|東大生と起業|朝日新聞EduA
世の中が変わり、社会環境が変わり、新しい産業を興すことが求められるようになり、こうした変化で、東大生にとっての大企業の位置づけや官庁の魅力が変わったといいます。かつてのように、法学部の卒業生は官庁に入る、工学部は優れたエンジニアを輩出するという国策とマッチしたミッションが薄れているといいます。
身近な仲間がスタートアップの世界にチャレンジしている、優秀な学生たちの意識もまたそっちに向くようになっているのではないかといいます。
この禍を境にして、新陳代謝が進んでいくのかもしれません。
「参考文書」