「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

止まらない円安は「日本売り」なのか、遠退きそうな賃上げ

 

ドル円の動向が気になります。また円が135円の値をつけ、円売りが意識されているようです。日本売りのような状況になっていないでしょうか。

 米国では、インフレの長期化懸念から株価が急落しています。背景に米国の中央銀行となるFRBがさらなる利上げを進めるのではないかということがあるといいます。FRBはインフレ退治に動きますが、日本の中央銀行 日銀は問題把握もまともにできていないのではないでしょうか。

円相場 1ドル=135円台前半に値下がり 約24年ぶりの円安水準 | NHK | 株価・為替

 黒田総裁が国会で、「急速な円安の進行は先行きの不確実性を高め、企業による事業計画の策定を困難にするなど経済にマイナスであり、望ましくない」と述べたそうです。これまでは円安は企業業績にプラスといっていましたが、言質となる変化とみていいのでしょうか。ただ、それでも「円安で収益が改善した企業が設備投資を増加させたり、賃金を引き上げたりすることで、経済全体として所得から支出への前向きな循環が強まっていくことが大事」とも述べています。

 円安が経済にとってマイナスで、そんな中で企業に賃上げを求めるようなことが妥当なことなのでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草 之に風を上(くわ)うれば、必らず偃(ふ)す。(「顔淵第十二」19)

君子の徳は風のようなもの、民衆の徳は草のようなものです。草は風が吹きますれば、必ず靡(なび)いて仆(たお)れます」と意味します。

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 君子は風のようなもの。上に立つ者が善を欲すれば、民もまた善となっていくといいます。

 黒田総裁を見ては、みなが反発しているのであれば、君子からほど遠く、上に立つ者としての徳、品位に欠けているということなのでしょう。

 共同通信世論調査では、黒田総裁を不適任とする回答が約6割にのぼっているといいます。

 

 

 昨日13日午後1時すぎに1ドルが135円20銭台まで値下がりし、1998年10月以来、およそ24年ぶりの円安水準だったと、NHKは指摘しています。

 1998年当時、日本経済は「金融危機」に直面し、「日本売り」が強まり、円が売られて急速に円安ドル高が進行したといいます。政府、日銀は円安に歯止めをかけるため、市場介入にしたそうですが、円安を止まらず、147円台をつけたこともあったといいます。前年に北海道拓殖銀行山一証券などが相次いで経営破綻したこともあって、市場は金融システムに対し不安を抱いたといいます。

 当時と状況は異なりますが、日銀が迷走し、企業は賃上げをできず、一向に目標には到達せず、状況も改善しない。そんな日本に不安を感じ、「日本売り」がまた始まっているということなのでしょうか。日銀も政府ももう少し智慧を回すことはできないのでしょうか。誰かがこの状況に有効な手を打たなければ、いつまでも変わらず今のままでということなのでしょう。

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「君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草 之に風を上うれば、必らず偃す」

 真に国民を思い、国も善くしていこうと切に願い、己の徳を磨けば、今何をなすべきかは見えてくるのではないでしょうか。目的、優先順位を違えるから、結果が伴わないということ単純なところに理由があるように思えてなりません。また、選挙が近づいてきたようです。

 

「参考文書」

黒田日銀総裁「不適任」6割、値上げ許容度発言に反発-共同調査 - Bloomberg