外務省が東南アジアの9か国で行った世論調査を行ったそうです。この調査の中で、G20 主要20か国の中で最も信頼できる国や機関を質問したところ、中国が日本より信頼されているとの結果が明らかになったといいます。
G20の中で最も信頼できる国 中国が日本上回る 外務省が調査 | NHK
NHKによると、東南アジアの人々が、G20の中で最も信頼するのは、ASEANで、次いで中国、日本や米国はそれ以下であったといいます。
また、その理由には、「友好関係」、「経済的な結びつき」、「世界経済の安定と発展への貢献」などがあがったそうです。
ひとつの調査結果に過ぎないのかもしれませんが、ショックを感じる内容です。外交を軽んじていたという結果であろうし、経済の弱体化ということをあらわしているのかもしれません。それにしても、いつからこうも評価されない国になってしまったのでしょうか。
吉野家ホールディングスの定時株主総会が開催され、「企業の社会的責任の自覚や顧客への敬意が、全く感じられない」、「情けない不祥事が続いている。上級幹部社員によるテロだ。会社の業績を台無しにしかねない。コンプライアンス(法令順守)の徹底を具体的にどうするのか」と、株主たちが意見を述べたといいます。
「上級幹部社員のテロだ」株主から批判噴出 吉野家HD総会 - 産経ニュース
吉野家では最近、女性蔑視発言をした常務の解任や、外国籍と判断した大学生の採用説明会への参加拒否といった、企業体質に疑念を持たれかねない問題が相次いで発覚し、出席した株主によると、総会では厳しい声が続出したと、産経新聞が株主総会の様子を報じています。上場企業としての説明責任にも、厳しい目が向けられているといいます。
また、収賄罪に問われた吉川元農林水産相に、東京地裁で有罪判決を言い渡され、「常識からかけ離れている」と一蹴され、「政治家としての規範意識の低さに対する反省には至ってない」と指弾されたといいます。
常識なき弁解、低い規範意識 吉川元農水相を指弾―鶏卵汚職判決:時事ドットコム
愚かしい行為を平気でできてしまう者たちが、政治家や企業の経営者の職にあることにただ驚くだけです。
論語に学ぶ
疏食(そし)を飯(く)らい、水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみ亦その中に在(あ)り。不義にして富み且つ貴きは、我に於いては浮雲の如し。(「述而第七」15)
「孔子の教え。粗食であり飲むものは水、肱を曲げて枕として寝る。そのような質素な生活の中に、楽しみがある。不正なことをして得るような財産や高位は、私にとっては雲のように何の関係もない」と意味します。
孔子は清貧を推奨しているわけでありません。単純生活をしていても、楽しみはその中にもあるものだといいます。また学問をしておれば、そこでの進歩が日々に感じられるからであろうといいます。
「富貴の生活」、「豊かな生活」、そうしたことを孔子は否定していませんが、もしそれが「不義」つまり不正を行うことによって得たものであるならば、孔子の目からすれば、それは「浮雲」空に浮かぶ雲のようなものにすぎない。贅沢な生活をしている連中を罵倒しているのではなく、自分は自分の道を行く、そこには富貴の人の、おそらくうかがい知ることのできない楽しみがある、と穏やかな自信をもって表明したのであろうと桑原武夫は解説します。
不正をすれば、心穏やかでいれるはずはありません。それを蔽い隠そうと、また不正を犯してしまうのかもしれません。そうしているうちに不正に慣れてしまえば、それを正当化するようになっていってしまうのかもしれません。それでは、心穏やかな生活から遠く離れていくばかりです。もしかしたら、そんな生活を強いられているのかもしれません。
三菱電機が公表した検査不正に関しての3回目の調査報告書で、従業員が様々な理由で不正を「正当化」している実態が示されていたそうです。
「お前の肩に1000名の生活」 三菱電機不正の報告書から: 日本経済新聞
品質不正が広範囲に広がっていたことが明らかになった、日本経済新聞は指摘し、「お前の肩には、関係会社を含め、従業員とその家族 1,000 名以上の生活がかかっている」との言葉を報じています。
これが、グローバル企業の内実なのでしょうか。どんどん信用を失い、日本が評価されなくなることも理解できます。
こうした世界からは遠いところに身をおき、我が身のために学び、その進歩を社会のために役立てることのほうが遥かに価値があります。そして、それは糧になっていくはずです。