ゴールデンウイークもいよいよ後半戦、各地の高速道路では渋滞、長蛇の列になっているようです。かつては不便の代名詞であった渋滞も何か懐かしく感じてしまいます。
コロナ渦での不便さを解消しようと、デジタル技術を活用しようした様々なサービスが登場しましたが、不便さがあるのも現実のリアルな社会なのだと感じます。
論語に学ぶ
「述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む」(「述而第七」1)といいます。
孔子が自分の学問の方法を述べたものといわれます。「述べる」とは、昔からあることを伝える、つまり祖述することであり、「作る」は新たな創作することで対立しています。
自分の基本的な態度は、周公以来の礼楽の道を今に伝えようとすることにあって、自ら新しい型を創り出そうとするものではないと意味します。
ゴールデンウイーク明けの感染状況のことが気になりますが、しばらくの間はコロナ以前を思い出して、それを楽しみたいものです。今まできでなかったことをやってみてもいいのでしょう。そうすることでまた、新たな課題が認識されて、アフターコロナの進歩があるのかもしれません。
Web3.0
コロナ渦の最中、Web3.0に注目が集まるようになったようです。
自民党のデジタル社会推進本部が、「WEB3.0時代の到来は日本にとって大きなチャンス。しかし、今のままでは必ず乗り遅れる」と危機感を訴え、首相に提言したそうです。
“成長戦略のど真ん中”になるか 岸田総理とWEB3.0 | TBS NEWS DIG
「WEB3.0」は、新しい概念なので定義は固まっていないそうです。「ざっくり言えばこれまでGAFAと呼ばれる巨大なIT企業などが情報や利益を独占していたインターネットの世界で、ブロックチェーンという新しい技術を使って非中央集権型のネットワークを構築し、情報を分散管理していこうという動き」とTBSは解説します。
ネット上で生まれた富をより多くの人に分配できるような仕組みを目指しているといいます。あのイーロン・マスク氏が個人でツイッターを買収する動きもあって、さらに注目されるようになったとも言われます。
この新しいインターネットの世界で主役となるのが「NFT(非代替性トークン)」のようです。
最近急速にNFTの利用が始まっているとも言われますが、ルール作りも進んでおらず、マネーゲームの様相も呈しています。国の規制が届きにくいインターネットの世界、次の主役を狙って争いが始まっているようです。
「尚古主義」という概念があります。古い時代の文物・制度などを尊び、これを模範としてならおうとする考え方のことをいいます。
こうした概念に固執するばかり、前例主義になってはならないのでしょうが、新しさばかりを求めるのも如何ものではないでしょうか。ましてそれがマネーゲームになるようでは困りものです。
古いものを精根こめて学びとろうとするうちに、もし当人に独異の才能がありとすれば、それは必ずあらわれずにはおかない、と考えるのであって、みだりに幼稚な「独創性」をあわてて発揮しようとはしない。(引用:「論語」桑原武夫)
「述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む」、孔子は自分の方法をのべているだけであって、その方法によって生れた彼自身の仕事の中にどのような新しさがあるかは、私たちの発見すべきことであると桑原武夫は解説します。
突如全く新しく独創性に富んだものが生まれることはなく、古いものからの連続性の上に新しいものがあるといことを示唆しているのでしょうか。
これまでのネット世界での問題点を安易にマネーゲームの手段に替えてはならないのでしょう。
尚古主義と幼稚な独創性
ロシアは「尚古主義」に陥っていないでしょうか。ソビエト時代の黒歴史を模倣しては、愚行を繰り返しているだけに見えてしまいます。前近代的な時代に巻き戻したいのでしょうか。
ロシア外務省、イスラエル政府に反発「ネオナチ政権を支持してる証拠」ラブロフ外相の発言に反論 - 社会 : 日刊スポーツ
ロシアのラブロフ外相が問題発言をしたようです。早速イスラエルが反発したようです。みなが共有する歴史解釈に新味、幼稚な独創性を加えてはならないのでしょう。