「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

トンガの海底火山の大噴火、待たれる現地の被害状況の確認、今後の気象への影響調査

 

 南太平洋トンガの海底火山が大噴火し、噴煙は1万6000メートルを超え、その衝撃波は地球を駆け回り、日本にも到達しました。それによって気圧の変化が生じ、その影響とみられる津波が太平洋沿岸の広範な地域に押し寄せました。日本でも漁船の転覆被害があったようです。自然の凄まじい力です。

 火山が爆発すると「空振」が発生することがあるそうです。この「空振」によって、「海面の波と大気が共鳴し、気圧が変化したりすることで波が増幅された可能性がある」と、今回の津波の原因が推測されているといいます。

「100年に1度」の巨大噴火 波立つ太平洋: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、「100年に1度の規模の噴火」との見方があるそうです。

 また、火山噴火の爆発規模を示す世界共通指標の火山爆発指数(VEI、0~8の9段階)は、上から3番目の6に相当すると推測さえているといいます。

 VEI6は1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火以来で、噴出物の量は富士山の宝永大噴火の10倍に相当。(出所:日本経済新聞

 

 

論語の教え

「子は怪、力、乱、神を語らず」と、「述而第七」20にあります。    

 この章は2つの読みがあり、怪力(神秘的な力)、乱神(あやしげな神)との二者とする読みと、怪、力、乱、神と四つとする読みがあります。

 「怪」は怪異。「力」は信じられないような体力。「乱」とは臣が君を、子が父を殺すといった秩序の破壊。「神」とは鬼神のこと。

 孔子は、そういうことを口にすることを好まなかったといいます。この世にあってはならない非合理的なことだからだったそうです。孔子の合理主義の表明だといわれます。

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「怪しいと思われる妖怪変化といえども、これを深く研究すれば、怪しむことになり、力自慢の勇士に関する物語も、話し方次第では士気を鼓舞する一助にならないともいえず、悖徳(はいとく)の革命にもまた、歴史的に観察すれば多少の意義があり、鬼神についての議論も、哲学上から観察したら全然無価値のもので無いかも知れないが、人が、世間に普通でない極端な事柄に趣味を持ち、絶えず怪、力、乱、神を口にするようになれば、その人の思想は自づと平衡を失し、極端な行動を取るようになり、言行共に中庸を失う恐れがあるもの」と、渋沢栄一はこの章の意味を解説しています。

 今回の津波孔子の時代であれば、摩訶不思議な現象と受け止められ、あるいは怪力みたいなものに捉えられたのでしょうか。理解できない現象が生じれば、人は不安を感じ、極端に走ってしまうことなのでしょう。

 

 

 火山噴火が繰り返し起きては、膨大な噴煙が排出され、その噴煙が気候に影響を及ぼしてきたといわれています。

 最近ではフィリピンのピナトゥボ山が1991年に噴火し、翌年地球の平均気温が約0.5℃低下したといわれます。また、古くは江戸時代の天明大飢饉も、火山噴火による気象変化、低温による影響ともいわれています。

 今回の噴火によって、今後何らかの気象変化があるのかもしれません。これから気象、気候への影響が研究されていくことになるのでしょう。

 自然の力にはただ驚かされるばかりです。その力を前にすると人間の無力さを感じずにはいられません。ただ人には助け合うと能力があります。早速、ニュージーランドやオーストラリアで支援の動きがあるようです。まずは被害状況の確認が待たれます。