メタ 旧フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)が今年秋に退任するといいます。フェイスブックを成長させた立役者といわれています。
功労者「サンドバーグ氏」退社が示すメタの現在地 | The New York Times | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
「ひとつの時代の終わりだ」と、マーク・ザッカーバーグCEOが感想を述べたそうです。サンドバーグ氏は2008年にフェイスブックに参加、「広告事業を設計し、会社の運営方法を教えてくれた」とザッカーバーグ氏は回顧したといいます。
サンドバーグ氏は2010年代に頂点を極め、称賛を得たといいますが、そこからほど遠い状態で退任することになるといいます。
フェイスブックは急成長しましたが、その後、個人情報を使う事業モデルへの逆風は強まったといいます。スマホの急伸ともにあった同氏がウェブ業界を去ることは、業界の転機のようにも見えるといいます。
論語に学ぶ
顔淵(がんえん) 邦を為(おさ)むるを問う。子曰わく、夏(か)の時を行ない、殷(いん)の輅(ろ)に乗り、周の冕(べん)を服し、楽は則ち韶舞(しょうぶ)し、鄭声(ていせい)を放ち、佞人(ねいじん)を遠ざけよ。鄭声は淫にして、佞人は殆(あや)うし、と。(「衛霊公第十五」11)
弟子の顔淵が国を納める方法を質問しました。孔子は「夏王朝の農業に適切な歴法を従い、殷王朝の質素な大車に乗り、周王朝の整った制度の下、冕(冠)をかぶり、音楽は正調の韶とし、俗調の鄭の音楽を追放し、口先だけの者を遠ざけよ。鄭楽は行き過ぎであり、口先だけの者は危険である」と答えたといいます。
口先だけのものたちがもてはやされたりすると社会が乱れるのかもしれません。文化が華美となってしまった乱れた社会を正していくには、基本に立ち戻るべきと孔子は言いたかったのでしょうか。
グーグルのCEOは「テクノロジーは規制産業になった」といいます。
サンドバーグ氏が実行してきたことは企業にとってはありがたいことであったのかもしれませんが、そればかりにこだわり、追求し過ぎてしまったのかもしれません。頃合いを得ていれば、その評価は違ったものになったのかもしれません。
FRB 米連邦準備理事会がQT 量的引き締めを始めたといいます。「足元の金融市場は落ち着いているが、あふれかえったマネーが徐々に干上がっていく影響は無視できない」と日本経済新聞はいいます。
QT 変容する市場(上)干上がるマネー、波乱の芽: 日本経済新聞
試練は資産の削減額が2倍になる9月に訪れる。高インフレが収まらず利上げペースを減速できない場合、大幅利上げとQT加速が市場に波乱を呼びかねない。(出所:日本経済新聞)
インフレ、地政学リスク、複雑化した世界にあって、米国の金融政策の変更に関係者は身構えているといいます。何か大きな変化が起きることはあるのでしょうか。
一方、OPECプラスは原油を追加増産することで合意したといいます。増産を迫る米国の要請に応じたといいます。
OPECプラス、増産拡大で合意 日量64.8万バレル: 日本経済新聞
これまで対ロ協調を優先してきたサウジアラビアやUAE アラブ首長国連邦に変化が起きたのでしょうか。
原油価格の急落を招くような大幅な増産は、どの産油国も望まないのが本音だ。増産幅が大きいと米欧の対ロ制裁を側面支援する形になり、ロシアを追い詰めるリスクもある。中東産油国が米ロを両てんびんにかける構造はなお続いている。(出所:日本経済新聞)
国際情勢の変化の兆しなのでしょうか。何事も行き過ぎれば、巻き戻そうとする力が生じるということでしょうか。それが善い方向へと向かうことを期待したいものです。
「参考文書」
メタCOO交代、「転換巧者」退任が映すウェブの転機: 日本経済新聞