「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【三年学びて、穀いに至らざるは、得易からざるなり】 Vol.199

 

 子曰わく、三年学びて、穀(さいわ)いに至らざるは、得易からざるなり。(「泰伯第八」12)

 

(解説)

孔子の教え。三年間、学んで、仕官して俸禄を得ることができない者は、見当たらない。」論語 加地伸行

  

  石の上にも三年ということなのであろうか。

 

 「論語」には、「三年の時間を区切った」がいくつかある。

「先進第十一」24では、子路冉有、公西華の三人の弟子たちに、曾皙が加わり、各々に志を語る。子路冉有は自分が政治を担当したときの三年後の姿を語る。  

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「学而第一」11では、「三年父の道を改むる無きを、孝と謂う可し」といい、三年の期間を区切る。 

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「里仁第四」20でも、同じ言葉が繰り返される。 

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「憲問第十四」40では、孔子は、「何ぞ必ずしも高宗のみならん。古(いにしえ)の人は皆然(しか)り。君薨(こう)ずれば、百官 己を総(すべ)て、以て冢宰(ちょうさい)に聴くこと三年」という。

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「子張第十九」18では、孟荘子が父の時代からの家臣と政策を改めなかったことが孔子によって高く評価されている。

  

 桑原は、この「三年父の道を改めず」が孔子教説のひとつの要という。

 過去を忍び、学ぶには、最低でも三年という時間が必要なのだろうか。

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫