子曰わく、三年父の道を改むる無くんば、孝と謂う可(べ)し。(「里仁第四」20)
(解説)
「三年、亡父のなしてきたことを改めないまま生活すること、それは孝と言える。」(論語 加地伸行)
親が存命しているときは、なかなかと親孝行のカタチが見えないもの。
父が亡くなり、父の友人と話して初めて知る、父の別の姿、生き様。そのすべてを身に纏うことはできないまでも、父が友人によく言っていた「義理と人情」を他者への配慮、気遣いという言葉に置き換えて、引き継いでいきたい。
そうすることで、父は私の中で生き続ける。そんな形の親孝行があってもいいと思う。
三年父の道を改めず
桑原は、孔子教説のひとつの要という。「学而第一」11にもこの文章がある。
「先進第十一」20では、子路が「何かを学びますと直ぐにそれを実行してよろしいでしょうか」と尋ねると、孔子は、「父兄が元気に過ごしているときは、他のかたから学んだからとて、どうして直ぐに実行してよいものか」と答える。
「学而第一」11でいった、「父在せばその志を観、父没すればその行いを観よ」との章につながっているのかもしれない。
「関連文書」
(参考文献)
