子曰わく、賢を見ては、斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては、内に自ら省みるなり。(「里仁第四」17)
(解説)
「賢者の言動を知ると、自分もそうなりたいと願い、愚者のそれを知ると、自分はそうあってはならないと反省する。」(論語 加地伸行)
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今年、父が亡くなった。長くパーキンソン病を患い、不自由な身であったが、元気に地域活動に参加していた。2月に突然倒れた。脳梗塞だった。右半身の重度の麻痺としゃべれない、食べられないとの後遺症が残った。倒れた直後は、必死に喋ろうとの姿勢が見られたが、しばらくすると諦めたのかもしれない。喋ることができず、その間、父は何を思っていたのかと時々思う。
父の口癖なのか、座右の銘かは知らないけど、
「人の振り見て我が振り直せ」
とよく言っていた。
賢を見ては、斉しからんことを思い、
不賢を見ては、内に自ら省みるなり
この言葉で、父のことを思い出した。
父は山形の出身だった。そのこともあるのかもしれないけど、上杉鷹山公を尊敬したようだ。
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、
成らぬは人の為さぬなりけり」
この言葉もよく聞かされていた。
パーキンソン病を患っても、精力的に活動する父の姿がだぶる。
(参考文献)