「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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思い出す父の姿【賢を見ては、斉しからんことを思い、不賢を見ては、内に自ら省みるなり】 Vol.86

 

 子曰わく、賢を見ては、斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては、内に自ら省みるなり。(「里仁第四」17)

  

(解説)

「賢者の言動を知ると、自分もそうなりたいと願い、愚者のそれを知ると、自分はそうあってはならないと反省する。」論語 加地伸行

 

  今年、父が亡くなった。長くパーキンソン病を患い、不自由な身であったが、元気に地域活動に参加していた。2月に突然倒れた。脳梗塞だった。右半身の重度の麻痺としゃべれない、食べられないとの後遺症が残った。倒れた直後は、必死に喋ろうとの姿勢が見られたが、しばらくすると諦めたのかもしれない。喋ることができず、その間、父は何を思っていたのかと時々思う。

 

 父の口癖なのか、座右の銘かは知らないけど、

「人の振り見て我が振り直せ」

 とよく言っていた。

 

賢を見ては、斉しからんことを思い、

不賢を見ては、内に自ら省みるなり

 

この言葉で、父のことを思い出した。

 

父は山形の出身だった。そのこともあるのかもしれないけど、上杉鷹山公を尊敬したようだ。

「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、

 成らぬは人の為さぬなりけり」

この言葉もよく聞かされていた。

 

 パーキンソン病を患っても、精力的に活動する父の姿がだぶる。

 

(参考文献)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 

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