子曰わく、父母を事(つか)えては、幾諫(きかん)す。志の従わざるを見ては、又敬して違わず、労して怨まず。(「里仁第四」18)
(解説)
「父母の下にあるとき、それとなく諫める。しかし、父母の気持ちが自分の諫めを受け入れないようであれば、元どおり敬意を払って従い、世話を続けて文句を言わない。」(論語 加地伸行)
今年、父が亡くなり、母と同居することになった。父が残したたくさんの遺品の整理をたくされた。父の在りし日の姿を思いつつ、無駄なく遺品整理を進めようとすると、母が不機嫌になる。長く離れて暮らしている間に、モノの価値観が違うようになったようだ。この章を読むと、ハッとする。
多少なら価値観を崩すのも仕方がない。年老いた母を思えば、それが一番のように思う。無用な言い争いは避けたい。母が心平穏にしあわせに余生をすごしてもらうのが何よりの孝行と思うようになった。
(参考文献)