「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【大師の摯は斉に適き】 Vol.475

 

大師の摯(し)は斉に適(ゆ)き、亜飯(あはん)の干(かん)は楚に適き、三飯(さんぱん)の繚(りょう)は蔡に適き、四飯(しはん)の缺(けつ)は秦に適き、鼓の方叔(ほうしゅく)は河に入り、播鞉(はとう)の武は漢に入り、少師の陽、撃磬(げきけい)の襄(じょう)は海に入る。(「微子第十八」9)

 

(解説)

「音楽長官(大師)の摯は斉国へ、次席(亜飯)の干は楚国へ、三席の繚は蔡国へ、末席の缺は秦国へ、鼓の方叔は河内(かだい)にへ、播鞉の武は漢中へ、副長官の陽や撃磬の襄はどこかの海島へ、それぞれが去ってしまった論語 加地伸行)  

 

 殷王朝が滅びると、音楽に携わる人たち「摯」、「干」、「繚」、「缺」、「方叔」、「武」、「陽」、「襄」も散り散りになった。

「摯」は、「泰伯第八」15にも登場するが、この章の「摯」は孔子と同時代の人ではないことから、継承していく楽師の呼称なのかもしれないと加地は指摘する。 

 

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫