「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【終戦の日】活かされない知見、歴史に悪名を残すエリートたち

 天下人 織田信長の政治行動がわかる貴重な資料が発見されたといいます。研究者の調査によれば、「天下布武」を掲げ、勢いがある時期の信長が敵対する細川昭元に高圧的に降伏を促す手紙だといいます。

織田信長が敵に降伏促す文書見つかる“政治行動がわかる資料” | NHK | 東京都

 歴史とはおもしろいものです。新たな資料が発見されれば、それによってこれまでの解釈が変わることもあります。実はあの出来事はこうだったと再解釈され、新しい知が生み出されたりします。

 今回の発見においては、信長の性格を裏付けるものになったようです。

 

 

 79回目の「終戦の日」を迎え、あの戦争にかかわる報道がさかんに行われています。79年という長い時間がたち、再解釈も進み、評価もだいぶ変わることになったりしているのでしょうか。

「牟田口廉也は無能、悪玉、卑劣の“三冠王”と言ってもいい」各界専門家が分析する“無責任”日本陸軍エリートの実名 | 79年目の終戦 | 文春オンライン

東條は大東亜会議でアジアの解放を決議し、国策としたにもかかわらず、お題目だけに終わっていた。そこに牟田口が「戦えば必ず勝つ。私には自信がある」と、最初は作戦決行を渋っていた東條を精神論で説得。最終的には、インパール作戦がインド独立の後ろ盾になるという政治的判断から、敢行されることになったのです。やはりこういった人物を司令官にしてしまう人事の問題ですよね。牟田口も、東條には、期待している自分を切れないことがわかっていたから、確信犯的にやったのでしょう。(出所:文春オンライン)

 専門家、知識人たちの見立てによれば、陸軍のエリートたちの浅慮があの悲惨な戦争へといざない、300万人以上が亡くなるという惨たらしい結末で終わったというところでしょうか。

 今では元軍人や元特攻兵、一般市民の証言も集まり、その全体像も前に比して鮮明になってきています。

(戦後80年へ)「尊い犠牲」誰が死なせたのか 元特攻兵「ありきたりの言葉」、憤り強く:朝日新聞デジタル

尊い犠牲の上に、平和な日本がある」というフレーズが使われ続けている。戦争を起こした責任が忘れられていないか――。軍国少年だった男性は憂慮している。(出所:朝日新聞

 

 

論語に学ぶ

後生 畏(おそ)る可(べ)し。焉(いずく)んぞ来者の今に如(し)かざるを知らんや。四十、五十にして聞こゆる無きは、斯れ亦畏るるに足らざるなり。(「子罕第九」23)

 若い人は恐るべきだ。これからあらわれる人間が、現在の人間つまり自分たちに及ばないなどとどうして言えよう。四十、五十になっても、なんらかの名声を得られないようでは、いっこうに恐れるにあたらないと孔子は言いました。

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「後進の者は努力しだいでどれほどの力量を身につけるかわからないので、おそれなければならない」との意味だといいます。学び努力して新しい知見を得るようにしなければ、容易に後進の者たちに追い抜かれてしまうということでもあるのでしょう。

 

 

 緊迫する現下の国際情勢を理由にして、軍備増強がここ最近の内閣で進められてきました。あの戦争に対する新たな知見は、今の政治に活かされているのでしょうか。いずれ歴史が審判を下すことになるのでしょうが、東條や牟田口と同じようなタイプの政治家や自衛官が増えていそうで、同じことの繰り返しにならないのかと不安を感じさせる面もあります。

 新たな知見を活かそうとすれば、国民を窮地に追いやるようなことは避け、自国民ばかりでなく、全世界の人々の安寧を願うようになりそうなものです。世界中みながハッピーになるようになれば、歴史において良い評価を得て、名君、名宰相と呼ばれるようになるでしょう。そうできない理由はないはずです。

そもそも今の日本の問題の根元には、訂正を嫌う態度があります。政治家は謝らないし、官僚は間違いを認めない。野党はかたくなに教条的な主張を繰り返す。どれも変えないことに価値や評価を求めています。しかし自分を変える気が全くない人と、議論なんてできるわけがない。(出所:Executive Foresight Online:日立)

休暇の読書にお薦めしたい本―その2 『訂正する力』『不思議な宮さま』 - Executive Foresight Online:日立

 現段階においてこんな評価で、ゆくゆく良い評価を得ることはあるのだろうかと思ったりします。四十、五十になっても他者からひどく悪まれるようではもう終っていそうな気もします。そんな政治家ばかりが蔓延しているようです。

 さて次の日本のリーダーは誰が担うことになるのでしょうか。歴史に長け、その知見を活かすことできる人物であって欲しいものです。

 


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「参考文書」

反戦の「重し」がなくなる 保阪正康さんが危惧するこれからの時代:朝日新聞デジタル

日本のいちばん長い日(半藤一利)で見る終戦記念日(79年前の終戦の日)…歴史通の読売新聞ベテラン記者が考察 : 読売新聞