円キャリートレードの人気が根強いようです。株価を大暴落させ、解消が進んだはずなのに、また復活しているそうです。市場はまた円安、株高方向です。
円キャリートレード復活の兆し、ヘッジファンドが再開に動く - Bloomberg
日銀の内田副総裁の金融市場が不安定な状況では利上げしないとの発言が良かったのか悪かったのか、株高は歓迎できますが、円安に戻れば輸入物価高騰の懸念がくすぶりま す。日本の通貨「円」が投機的に扱われ、それによって国民生活が犠牲になる事態が継続しそうです。
アクティビスト活躍
アクティビストやPEファンドの活動も相変わらず活発のようです。香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントが、ドラッグストアを運営するクスリのアオキホールディングスに「ガバナンスに重大な問題がある」として株主提案を提出していたそうです。
クスリのアオキ社長解任案を否決 株主総会、香港ファンド提出 | 共同通信
株主総会で反対多数で否決したそうですが、オアシスは不当に安い価格で行使できる青木氏2人へのストックオプションの発行が、正式な手続きを経ずに決められたと主張していたといいます。ガバナンス、経営に疑義ありということでしょうか。
かつてのアクティビストといえばハゲタカファンドのイメージでしたが、今のそれは、まっとうな主張で、経営改善を求め、イメージが変わりつつあるように思います。それだけ企業のガバナンスが堕落しているということでしょうか。
市場の株高基調と企業経営の実態が乖離しているようにも感じます。しかし、それゆえの改革期待の株高だともいえそうです。
名目GDP600兆円突破
4〜6月期の名目国内総生産(GDP)が年換算で初めて600兆円を突破したそうです。
「賃上げと投資がけん引する成長型経済への移行を示す数字」と退陣する岸田首相がそう述べ、安倍政権時代に掲げた目標が、9年越しで達成できたと語ったそうです。
名目GDP600兆円、岸田文雄首相「成長型経済示す数字」 - 日本経済新聞
専門家は物価高騰の影響が大きいと主張しています。また首相の口先ばかりの成果強調でしょうか。こうしたが国民感覚との乖離となって支持率低迷の一因になっているようにも感じます。
物価が上昇する間、家計は消費を控えた。消費も増えないと、豊かさは実感できないと指摘。「労働者1人当たりの生産量『労働生産性』を高め、企業が賃金を上げやすい体質に変われるかどうかが、日本経済を好転させるためのポイントだ」と強調する。(出所:東京新聞)
いずれにせよ、企業も政治も実態を正しく把握できないままに、的外れなアクションが続いているようにも見えます。
論語に学ぶ
巧言令色、鮮なし仁 (「学而第一」3)
言葉を巧みに飾り立てたり、外見を善人らしく装うのは、実は自分のためというのが本心であり、「仁」すなわち他者を愛する気持ちは少ないと孔子は言いました。
みなが権力者に媚び諂って、国民を顧みようとしない。権力者は真実を知らずまま、善人ぶって何でもかんでも自らの成果だと主張する。これでは社会がよくなっていくことなどあろうはずもありません。
主要な経済改革を行わなかったことが、2024年の日本経済に跳ね返ってきている..... 日本の大改革の話は「口先ばかり」のように見える.....
1999年、日銀は主要中央銀行として初めて金利をゼロに引き下げた。そして、その2年後には世界で広がる量的緩和の先駆者となる。このような自由な資金供給は、経済の立て直しは急務であるという議員たちの認識を失わせた。企業の最高経営責任者には、リストラやリスクを取るインセンティブがほとんどなかった。そのうぬぼれ的な強気が、今の記録的な株価上昇とぶつかり合っている。(出所:Forbes)
なぜ日本人は25年間渇望してきた「インフレを嫌う」のか | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
首相は成果を強調しますが、官僚主義的体制からの脱却や生産現場の効率化といった課題にはほとんど手をつけられていないといいます。いまさら過ぎた時間を悔いても仕方ないのでしょう。政治、経済の大改革を口先ではなく、実行できるリーダーの誕生が待たれます。さて、自民に立憲、誰を次の党の顔に選ぶのでしょうか。
「参考文書」
実感できない「経済成長」…その理由は? 実質GDP年率3.1%増で名目600兆円を初めて突破:東京新聞 TOKYO Web