「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

団結を促すトランプ氏、負傷した前大統領の心変わりなのか

 米国大統領を目指すトランプ氏が銃撃されるという衝撃的な事件がありましたが、予定通り共和党全国大会が開幕され、トランプ氏が大統領選の候補に正式指名されました。

トランプ氏を正式指名 副大統領候補にバンス氏―米共和党大会開幕:時事ドットコム

「米国を団結させる機会が与えられた」、トランプ氏は暗殺未遂事件を念頭にそう語り、暴力に屈しない姿勢を最終日の指名受諾演説で示すそうです。

 バイデン政権への対抗を意識して用意された演説内容を大幅に書き換えるといいます。それぞれのこれまでの主張が逆転するようになるのでしょうか。

 

 

 過激な言葉での言い争いに終止符を打ち、両者共通ワードになりそうな「団結」で、分断対立を解消させるよう働きかけて欲しいものです。そうなれば選挙戦もまともなものとなり、政治的混迷、混沌から抜け出せそうです。すでに高齢の域に達している両者、直情径行なふるまいではなく、いい意味で老獪さを発揮してもらたいものです。

論語に学ぶ

異端を攻(おさ)むるは、斯れ害あるのみ。(「為政第二」16)

「異端」、  正統に背く異説を唱える者は、天下に害を流すばかりだ。処断してもよい、いやそれこそ天下のためであると孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 この章は多くのよみがあって、定説がないそうです。しかし、イメージ的には理解できそうな言葉です。江戸期の儒学者伊藤仁斎は、ものの端がまちまちで一つに揃っていないとして、それを無理に揃えにかかっても害があるばかりだと解し、学問に力を集中すべきで、そうすれば端のほうは自然にととのってくると読んでいます。また、荻生徂徠は、「異端」を「異心を抱く者」と解し、そういう者を急いで攻撃を加えることは、相手を激発することになるばかりで害となると読みます。

 世界のそこらじゅうで言い争いが絶えなくなっているのは、異端児ばかりになっているということなのかもしれません。学問の乏しさによって規範性も崩壊していそうです。

 

 

 東京では、「行方不明展」という展覧会が7月19日から開催されるそうです。「行方不明」について、理解を深めるための展覧会といいます。

私たちが求めるのは「優しい破滅」? 行方不明展を解剖する。【大森時生×梨×オダウエダ植田】 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 ちまたでは「行方不明になりたい」がトレンドのようだといいます。

「行方不明になりたい」というのは、「死にたい」とは別の感覚だと思います。完全にリセットしたいとか、自分の今ある文脈から解き放たれたいという願望は、昨今の異世界転生モノの流行にも通じるものがあります。(出所:Forbes)

「日本全体でなんとなく「このまま先に良いことはないんじゃないか」という閉塞感がある中で、「今じゃない、ここではない場所」みたいなものに憧れがある人が多いからではないでしょうか」とこの展覧会のプロデューサーの一人はいいます。

「優しい破滅願望」というか。すべてをぶっ壊したいわけではなく、自分だけに向けられた願望で「ここを変えたい」という気持ちは、多くの人が持っているものなのかもしれないですね」と別のプロデューサーは言います。

ちょっとだけ壊してほしいんですよ。でも、全部なくなったら嫌なんです。(出所:Forbes)

 これが現代の世相なのかもしれません。これにこたえる力があれば、社会が少しは良い方向に向くのかもしれません。もしかしたら規範性が回復すれば、もう少し心に落ち着きを取り戻せそうな気もします。

 

 

「異端を攻むるは、斯れ害あるのみ」、「異端」とは、正統でなく、正道に反する教説のことを意味する言葉です。また思想・信仰・学説などで、多数の人に一般的に受け入れられた正統に対して、少数の者に信じられ、主張されているものをいいます。

「異端邪説」、「邪説」とは、よこしまな議論、不正な主張を意味します。現代はこちらが主流になって、大多数を感化しようとしていそうな気もします。それゆえ、正統、正論を述べる少数派が攻撃の憂き目にあっているのかもしれません。事件をきっかけにしてこうした風潮が改まって欲しいものです。