「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

カオス化しそうな米国、党大会で満面の笑みを浮かべるトランプ氏

 トランプ氏関連の報道が増えているようです。星条旗を背景に拳を突き上げ、英雄となってそのまま米国大統領に返り咲く、そんな雰囲気が漂っているようにも感じます。株価もトランプ相場で値上がりしているそうです。

米国は制御不能な「カオス」に、有権者の80%が懸念 トランプ氏銃撃受け=調査 | ロイター

 一方、支持率はトランプ氏が43%であるのに対し、バイデン大統領は41%となっており、報道の過熱ほどの差にはなっていないようです。有権者が暗殺未遂事件を冷静に受け止めているようだといいます。逆に事件を受け、有権者の80%が米国が制御不能な「カオス」に陥りつつあると考え、約84%が、11月5日の大統領選後に過激派が政治的な暴力を引き起こすことを懸念しているといいます。

 

 

 政治的信念を理由としたコミュニティーに対する暴力行為を懸念していると答えた人が67%にいるといいます。 また政治的目的を達成するために暴力に訴えることを容認できるかとの問いにYesと回答したのは5%にとどまったそうです。

トランプ氏が銃撃から生き延びたことについて、共和党として登録する有権者の65%が「トランプ氏は神の意志やおぼしめしといった計らいを受けている」と回答。民主党として登録する有権者では11%がこの考えに同意した。(出所:ロイター)

 米国は先進国の中でも特に宗教を積極的に受け入れているそうです。米国人の約77%が神を信じていると答えているといいます。ちょっと意外な世論調査の結果です。

論語に学ぶ

其の鬼に非(あら)ずして之を祭るは、諂(へつら)うなり。義を見て為さざるは、勇無きなり。(「為政第二」24)

 自分たちの祖先の霊魂でない有力な他家の霊を祭るのは、その有力者に対する諂いである。逆に、義しいものと分かっておりながら、実行しないのは勇気がないからだと孔子言いました。

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 暗殺未遂のような事件が起きると、衝動的な行動に走りがちになるのかもしれません。世論調査の結果からして、共和党支持者の中でその傾向が強いのでしょうか。「義」を見極めようとせずに、被害者になったトランプ氏に「義」をみて狂信的になっては危うそうな気もします。

 

 

 共和党大会では党綱領が採択され、トランプ政権時代の路線に戻す政策が打ち出されたといいます。アメリカ・ファースト 米国第一主義の理念が掲げられ、「力による平和」を前面にして、同盟国に責任分担要求する内容になっているそうです。大会に参加したトランプ氏のいつにない笑みが印象的でした。

気候変動、AI対策を撤回 前政権時代に回帰―米共和党綱領:時事ドットコム

 バイデン政権が導入した政策の多くを取りやめるそうです。対中政策では、優遇関税を適用する「最恵国待遇」の取り消しなどの強硬策が並んでいるといいます。強権主義へ逆戻りというところでしょうか。

 トランプ氏が大統領に返り咲いても、バイデン大統領が再選しても、混乱は続きそうです。世界にとってはどっちにしても何も変わりそうもないということでしょうか。米中対立も収まりそうにありません。色々懸念が深まりそうです。日本がしっかりして欲しいものですが、それもまた厳しそうです。こうした混乱に惑わされることなく、なすべきことに集中したほうがよさそうです。

 

「参考文書」

トランプ関連株が急騰、銃撃事件受け大統領選勝利との見方で | ロイター

「力による平和」前面=同盟国に責任分担要求―共和党綱領・米大統領選 | 時事通信ニュース

米共和党、24年政策綱領の要旨 - 日本経済新聞

トランプ氏、FRB議長解任求めず 財務長官にダイモン氏検討=BBG | ロイター