「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ライドシェアの全面解禁はいつなのか、足を引っ張る政治

 自家用車で人を運ぶ「ライドシェア」の規制緩和に向け、政府内で意見が割れているといいます。政府は「骨太の方針」に全面解禁を議論することを盛り込んだそうですが、自民党内に推進派と慎重派がいて、政治的な攻防が続いているといいます。

慎重派の渡辺元復興相「海外では怖くてライドシェアに乗ったことはない」:日経ビジネス電子版

 単に利害調整がうまくできていないだけのように感じます。政治が絡むから話がややこしくなっていそうです。何が国民にとって一番良いことなのかという視点に立てば、反目し合う両者であっても合意はできるのではないでしょうか。日本の進歩が遅れるようになった原因がこういうところにありそうです。

 

 

 推進派は、タクシーを含めて公共交通の縮小が続いていることを問題視し、生活者が移動の足を求めている現実があるといいます。白タクが横行するようになり、これ以上目を背けることができなくなっていると主張します。

小泉進次郎氏「慎重派はライドシェアに対する事実誤認がある」:日経ビジネス電子版

5年ほど前はライドシェアという言葉が政治の世界ではタブーだったことを考えると、最近の盛り上がりは隔世の感がありますね。菅義偉前首相が取り組むべきテーマとして掲げたことがきっかけとなり、異例のスピードで「日本版ライドシェア」の整備が進みました。(出所:日経ビジネス

 一方、慎重派はドライバーを増やしたり、観光地で連携したりするなど、タクシー業者の努力で移動の足を増やそうとしていると主張し、国としても雇用調整助成金などで支援してきたのに、急にライドシェアというのは、唐突な話だといっているようです。

 それぞれに大義があって、その主張にも論理はありそうです。しかし、合意形成をなさなければならないときに、いつまでも主張をぶつけ合っていては何の進展もありませんし、そうかといって妥協点を見出そうと長い時間をかけてダラダラと話し合う習慣もあまりよろしくないのでしょう。

 

 

そもそも調整する政治に問題解決能力がないのかもしれない、との疑念もわきます。時代は大いに変わっているのに対して、政治家がそれに見合う知識や教養を身に着けているのでしょうか。

 旧来からの政治手腕に頼ること自体が時代錯誤なのかもしれません。

論語に学ぶ

君子は上達(じょうたつ)し、小人は下達(かたつ)す。(「憲問第十四」23)

 君子 教養人は根本や全体がわかるが、小人は末端や部分について知っているだけだと孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「上」には本(もと)、あるいは道徳という意味があり、「下」には末(すえ)、または財産や利益のことをいうそうです。「君子」とは天下の事に責任をもち、民が安んずる志を持つものであり、「小人」は自分一身を善くするにとどまって、社会的影響を持ちえぬ者のことをいいます。現代政治家の特徴になっているのかもしれません。

 

 

 政治屋が努力を惜しまずに人格を高めて聖人君子に近づけばいいのでしょうが、そうでないのなら、やはり政治における改革は避けることはできないのでしょう。

 損得でしか利害調整ができないのなら、企業献金はやめるべきですし、議員活動の第3者による監視も避けることはできないのでしょう。何より自民党そのものを改革した方が手っ取り早いのかもしれません。

 とかく批判が悪いといわれるようになってきています。とはいえ「頑張れば何でもできる」ということはなさそうで、それなのに「このやり方しかないよね」といっているようではあまりよさそうな選択ができそうにありません。「それが本当に一番いいの」と疑問を投げかける人、批判する人がやはり必要に思えなりません。

 慣性に従って仕事することほど楽なことはありません。そうなりがちなのしょう。ですから、あえて不安定さや変化に身を置かなければならないのでしょう。そんな政治家がいないのが問題といえそうです。

 

「参考文書」

「頼りないと言われても権力は健全じゃないといけねぇんだ」 何が岸田首相を派閥解散に駆り立てたか【裏金政治の舞台裏】 | 47NEWS

〝落ち目の維新〟「東西対立」深刻化【点描・永田町】:時事ドットコム

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