「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

実現した政権交代、カリスマ性もないつまらない人が英国の新首相を射止める

 英国で総選挙が行われ、14年ぶりに野党・労働党が政権を奪還、スターマー党首が首相に就任しました。英国の政治を「リセット」すると表明し、パフォーマンスの政治を終わらせ、公共サービスとしての政治を取り戻すため、変革の準備ができていると述べたそうです。

英国で政権交代、スターマー労働党首が首相就任-総選挙で大勝 - Bloomberg

 与党だった保守党は惨敗、獲得議席は121と過去最低になったといいます。トラス前首相やシャップス国防相など現職閣僚ら有力議員が相次いで落選する事態だったそうです。混乱に見舞われた14年間の政権運営有権者の厳しい審判が突きつけられたといいます。

 

 

 英国保守党は混乱していたといいます。ジョンソン元首相はEU離脱を実現させたものの、コロナ禍の行動制限に違反する官邸でのパーティーを開催したことが発覚、辞任に追い込まれ、後任のトラス前首相は就任後に示した大型減税案などが市場を大きく混乱させ、在任期間はわずか49日と史上最短で辞任しました。現スナク政権は国民の不満を解消することができず、むしろ高まめることになっていったといいます。英国も日本と同じような問題を抱えていたようです。

 スターマー新首相は、コービン前党首の社会主義色を払拭し、中道左派路線に転換することにより、保守党の混乱に乗じて、有権者の支持を広げていったといいます。マニフェストには経済の安定を掲げ、厳格な財政ルール順守も公約としたそうです。

 ただ英国民は、スターマー氏のことを「少しとっつきにくくて退屈なイメージ」とか、「魅力的な人には見えない」といい、メディアは規則に厳しく、派手なパフォーマンスは好まず、「政治家としておもしろみやカリスマ性がない」などと揶揄していたそうです。

 選挙後、首相官邸前の初めての演説に臨んだスターマー首相は、何百万人もの人の生活が不安へ悪化しているのにあまりにずっと無視されてきたと主張し、「私の政権は、あなたのために働きます」と約束し、「英国を立て直し、あらゆる共同体で富を創出する」と言明したそうです。「敬意をこめて謙虚な気持ちで私は、国の再建というミッションのため、奉仕するこの政府に、皆さんが参加するよう呼びかけます」と述べ、「私たちの仕事は急務で、今日からそれを始めます」と表明したといいます。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)問いて曰わく、郷人(きょうじん)皆 之を好めば、何如、と。子曰わく、未だ可ならざるなり。郷人皆これを悪(にく)めば何如、と。子曰わく、未だ可ならざるなり。郷人の善者 之を好み、其の不善者 之を悪むに如(し)かず、と。(「子路第十三」24)

 弟子の子貢が「その土地の人のだれもが、あの人は善い人との評判がありましたらどうでしょうか」と質問しました。孔子は、「まだ善人とは言えない」と答えました。「その土地の人の誰もからも憎まれておりましたら、どうでしょうか」と更問します。孔子は「まだ善人とは言えない。その土地の善人が善いとし、悪人が悪むことがあってはじめて、ほんとうの善人と言える」と答えました。

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 保守に左派、そういう類にこだわるから対立し分断されていくようにも感じます。まずはそれ以前に、指導者が善き人であればと思います。そんな人がその善き人柄で社会の雰囲気を変えていきそうな気もします。もしかしたら、今、この危うい国際情勢の雰囲気をも変えることができるのかもしれません。

 

 

 英国に続き、イランでは大統領選の決選投票が始まっています。欧米との融和を掲げる改革派が奪還するのか、それとも欧米と対立し、中国やロシアとの関係を強化する保守強硬派の維持となるのか、結果次第では、国際情勢にも影響するのでしょうか。

 フランスでも総選挙の決選投票が控えています。米国ではバイデン大統領が大統領選を続けるとの意向を示していますが、撤退を求める声も高まっているようです。決断があるのか気になるところです。

 選挙イヤー、世界各地で選挙が続きます。善き新しいリーダーが誕生することはあるのでしょうか。日本でも都知事選、自民党総裁選と続きます。どんな結果が待っているのでしょうか。日本においても善き人柄のリーダーが誕生して欲しいものです。

 

 

「参考文書」

【イギリス総選挙2024】 労働党が単独過半数、14年ぶり政権交代 保守党は現職閣僚や元首相ら落選 - BBCニュース

英国初の女性財務相、リーブス氏は労働者のための成長経済目指す - Bloomberg

イギリス総選挙 次の首相?労働党スターマー党首 どんな人?趣味サッカー アーセナルファン でも「退屈」? | NHK | WEB特集 | イギリス