世界各地が選挙が続いています。このところ欧州では極右、右派勢力の躍進が続いているようです。すぐに何かが大きく変わることはないようですが、ドイツにオーストリアの動きを見ていると少々心配になります。
オーストリア総選挙、極右政党が第1党に 欧州で右派勢力の躍進続く - BBCニュース
日本では、石破氏が新首相に任命されました。世界の右傾化する流れに乗ることはなさそうな気もしますがどうなのでしょうか。自民党の総裁選の決選投票では安倍元首相の後継を自負する高市氏との戦いとなり、右派がまだまだ力を保っていそうにも見えます。石破政権の誕生もただの刷新感にすぎないということでなければいいのですが。
自民党内で野党の立ち位置をとってきた石破氏にはちょっぴり期待したいのですが、やはり厳しいのでしょうか。日経平均株価が1900円超の大幅下落。世の中、色々な堅牢な壁がありそうです。
日経平均1900円安、石破自民総裁に市場の洗礼 衆院選27日投開票へ：日経ビジネス電子版
金融緩和派の高市早苗氏が敗北し、「高市トレード」が逆回転しためといわれます。金融所得課税や法人税の強化に前向きな意向を示していた石破氏の総裁就任に、市場が冷たく反応したようです。一時急速に進んだ円安も、株価同様にトレンドを反転させ円高方向に進みました。
石破茂新総裁、「経済に弱い？」と問われ 「私に至らぬ点が…」 | 毎日新聞
石破さんも岸田首相同様、市場から先制パンチを食らい、市場が評価する岸田政権の政策を継承すると早速、軌道修正しています。「今の金融緩和の方向性は維持していかなければならない」と述べ、「アベノミクス」を継承する加藤勝信元官房長さんを財務相に起用する動きをみせました。
その他閣僚人事でも女性の登用が少なく、また選択的夫婦別姓について後ろ向きな人を登用しているといわれています。改革派という印象が薄れていくようです。志を曲げなければならない理由がありそうです。前途多難というところでしょうか。
論語に学ぶ
其の以（もち）うる所を視、その由（よ）る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉（いずく）んぞ廋（かく）さんや、人焉んぞ廋さんや。（「為政第二」10）
その人物の日常生活の現在をしっかりと視る。その人物が経てきた過去を観めみる。その人物が落ちつこうとしている未来の着地点を察する。そうすれば、その人物は自分を隠すことはできぬ。本当の姿が分かると孔子はいいました。
せっかく5度目の総裁選挑戦で勝利を得たのですから、初志を貫徹してもらいたいものです。しかし、抜き差しならぬ事情があるのでしょうか、早速、衆議院を解散、そうそうに総選挙に打って出るようです。石破氏もまた同じ穴の狢のように見えます。それとも総選挙後にはもう少し独自カラーを出せると思っているのでしょうか。
イスラエルがレバノン南部で、限定的な地上侵攻を始めました。米国の説得を振り切ってのことのようです。もはや制御不能のようで、米国がネタニヤフ氏に及ぼせる影響力には限界があることが明らかになっているようです。
愚かな決断をしては悲惨な結末を迎える、過去に何度もそんな失敗を繰り返しているのに、また同じようなことにならないか心配でなりません。同じ考えの人を回りに集めるのではなく、多様性があればもう少し違う展開があるのかもしれません。
それにしても、世界の右傾化が気がかりです。日本がその波に飲み込まれないか心配になります。石破新首相はその防波堤にあって欲しいものですが、どうなっていくのでしょうか。
「参考文書」
米にも制御不能のイスラエル、今度はレバノン地上作戦 写真5枚 国際ニュース：AFPBB News
［新政権の宿題］新浪剛史氏「昭和戦後の仕組みを捨てられる好機だ」：日経ビジネス電子版
日銀利上げ観測再び、自民総裁選での石破氏勝利で－市場関係者の見方 - Bloomberg
高市早苗・小林鷹之両氏、自民党要職打診を固辞 挙党体制に不安 - 日本経済新聞
「あれで石破さんに決めた議員は多いと思う」 決選投票前、最後の訴えで石破茂氏が語った「お詫び」 自民総裁選：東京新聞 TOKYO Web
自民党の麻生太郎氏、石破茂総裁との記念撮影に参加せず - 日本経済新聞
