年末を迎え、東京株式市場の大納会の日経平均株価はバブル経済下の1989年以来34年ブルの高値で終えたといいます。ただ素直に喜ぶことのできない「不都合な真実」もあるといいます。
株価「失った35年」を阻むには 不断の改革で勝つ経営へ - 日本経済新聞
34年もの間、株価の最高値を超えられない主要国は日本だけで、その埋没ぶりがあらわになっているといいます。
物価高も続いています。株価と物価は比例関係なのでしょうか。株価高は企業にとっては良いことかもしれません。しかし、その一方で家計が苦しくなったと感じる人が増加しています。課題は明確になっているのに、その改善が進まなかった1年だったようです。
来年2024年を転機の年にできるのか、企業に問われることになりそうです。
歴史的な円安
円安の進行も今年の顕著な出来事といっていいのでしょう。 22年末には131円前後であったドル円が、11月には一時151円台後半となって、20円も円安が進みました。株高の理由にはなったのかもしれませんが、主要通貨で下落率は最も大きくなり、割安度合いは過去最大となったといいます。
「安すぎる円」解消できず 経済の足腰なお弱く - 日本経済新聞
「円安」には日銀の金融政策の影響もあったのでしょう。しかし、大規模緩和政策が正常化されても円安是正の効果が限定される可能性もあるそうです。経済の足腰を強くしないと、割安是正が進まないといいます。日本経済が弱くなったことの証のようです。
論語に学ぶ
子 罕(まれ)に利を言うとき、命(めい)と与(とも)に、仁と与にす。(「子罕第九」1)
孔子はたまに「利」言及するが、そのときは、必ず「命」あるいは「仁」と与にしたといいます。
天下のために「利」をはかること、それによって「安民」となるといいます。民を利することがなければ「道」とはいわない。私利私欲、一身の利益ばかりを考えるようであれば、それは道ではない。
今年を振り返ってみれば、闇バイトが横行し、街中では凶悪事件がたばたび起きました。様々な企業不正や不祥事も露見しました。また、政治においては自民党の腐敗が明らかになりました。どこかで「道」を違え、自分のことしか考えず、短絡的な行動ばかりになったがゆえの異常事態のように思えます。そんな世相を変えるにはどうすればよいのでしょうか。
「改革できなければ自民党はつぶれる」石破茂元幹事長が語る、政治とカネのあるべき姿:東京新聞 TOKYO Web
自民党の石破元幹事長は、「『数は力』『力は金』みたいな、そういうクラシックな考え方に、いつの間にか戻っていったのかもしれない」と語り、自民党が野党に転落し、政権復帰後、「謙虚さ」を失ったのかもしれないといいます。
岸田政権、「凍死」間近? 「各社調査、支持率10%台そろえば総裁交代」-山崎拓氏が“予言”【解説委員室から】:時事ドットコム
「謙虚さ」、自分の存在を低いものと客観的に見て、相手の考えなど取れるべきものがあれば素直に受け入れる態度を忘れないことといいます。
この素養を身につけた人格ある人物がリーダーになれば、世の中の雰囲気も変わっていきそうな気がします。
「参考文書」
「アベノミクス」修正は予断許さず 岸田首相も積極財政 - 日本経済新聞