「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

株価低迷する日本のIT企業、楽天、Zホールディングス

 楽天グループの株価が下落傾向で、昨日28日は若干持ち直しはあったものの終値は476.4円、年初来21%値を下げているといいます。

 モバイル事業が足を引っ張り、赤字決算が続き、資本増強などを図っていますが、逆に、株価は下落傾向を強めることになっているそうです。

 この株価不調が、楽天に出資した日本郵政の経営を揺さぶるようになっています。日本郵政は2021年に楽天に約1500億円を出資、この時の株価は1145円でしたが、現在の価格はその半値を下回る水準。回復の見込みがなければ減損処理をするのが企業の会計ルールといいます。このままであれば、日本郵政の損失額しは800億円を超える恐れもあるといいます。

 

 

 Zホールディングスの株価も低迷しているようです。LINEバンクの設立を断念し、LINE証券も証券業から撤退、強みのUI/UXを使ってフィンテック事業を強力に推進するはずだったのに残念な結果となっています。また、QRコード決済のPayPayもサービス改悪が囁かれ、一度決めたを他社のクレジットカードを使えなくする措置を延期せざるを得なくなっています。

ZHD株が急落、第4四半期は赤字に-コスト削減に疑問の声も - Bloomberg

 記事によれば、10月までに固定費の削減を図るそうですが、希望退職は募らないといいます。

競争圧力の高まりを考えると、広告収入などメディア収入増加の見通しは楽観視できず、固定費削減の取り組みが利益を押し上げるか不明だとした。また、この3カ月間でさらに悪化した事業環境を踏まえると、固定費削減は不十分で、対策が追いつかない可能性があると指摘した。(出所:ブルームバーグ

 日本代表するIT企業の低迷が残念でなりません。期待されながらも躓く原因はどこにあるのでしょうか。

論語に学ぶ

子 顔淵に謂いて曰わく、之を用うれば則(すなわ)ち行ない、これを舎(す)つれば則ち蔵(かく)る。唯 我と爾(なんじ)と是れ有るか、と。子路曰わく、子 三軍を行(や)らば、則ち誰と与(とも)にせん、と。子曰わく、暴虎馮河(ぼうこひょうが)し、死して悔ゆる無き者は、吾 与にせず。必ずや、事に臨んで懼(おそ)れ、謀(はかりごと)を好んで而(しか)して成す者たれ、と。(「述而第七」10)

  孔子が弟子の顔淵にむかって、自分を任用しようという者があれば、世の中へ出て活動する。しかし、見捨てられたら隠遁する。つまり、就職活動はしないが、求められればあえて辞せずに世に出て活動する。しかし、認められない場合には、静かに隠れてわが道を楽しむ。そうしたとらわれのない自由の境地、そこに到達しているのは、わしとお前だけだねといいいました。すると、側にいた弟子の子路が口を出し、「もし三軍を率いて戦うときは、誰を連れて行きますか」と質問します。孔子は「素手で虎を捕えようとか、大河を舟なしで歩いて渡ろうとか、そんな無謀な冒険するような者と 一緒に仕事することはできない。仲間にしたいのは、ことにあたって慎重に構え、戦略を巧みにし十分に計画を練って、最後に勝利を得る者だ」と答えました。

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 よい着想を得ても、それが具現化され成就しなければ、ビジネスとしては成立しません。有能な人材が揃い、マネジメントが適正になされていれば、失敗するはずもありません。成功する企業をみればそれは明らかなことなのでしょう。

 それにしても勝てる道具であるはずの顧客データなど、色々なものがそろっているはずなのに、それを活かすことができないのはなぜなのでしょうか。

 本によれば、デキる人というのは総じて人間をわかっているそうです。そうした人材が不足しているのでしょうか。

 

「参考文書」

低迷続く楽天G株、増資参加者に含み損-必要なら減損と郵政社長 - Bloomberg

楽天株の低迷で「減損リスク」浮上、750億円超 日本郵政に暗雲:朝日新聞デジタル

日本郵政社長、楽天G株の動向注視-業績不振や増資で年初来2割下落 - Bloomberg

功を焦ったPayPay騒動 Zホールディングス、PBR1倍割れ「残念」 - 日本経済新聞

楽天モバイル、今夏のトレンド予測は「携帯料金の低価格化」「ギガ節約疲れ」「賢い経済圏」 - ケータイ Watch