「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

不安定を生み出す人たちに共通して欠ける能力

 特別軍事作戦を続けるロシアでプリゴジンの乱がおき、国際情勢がさらに混迷しています。政治絡みのこととか権力への執着が世界を不安定させていくようで嘆かわしいことです。VUCA 不確実性が高く予測困難な時代といわれますが、さらにその深刻度が増していきそうです。

 日本においても同様なのかもしれません。政治課題の解決といって次々と新しい看板政策を打ち出しては、次から次へとトラブルが起きています。それなのに、また新たな看板政策「令和版デジタル行財政改革」がキックオフするといいます。

 朝日新聞によれば、具体策は何も決まっていない「見切り発車」で、トラブルが続出するマイナンバー制度の批判をかわす狙いがあるといいます。もう呆れるしかありません。

 

 

 母子健康手帳母子手帳)とマイナンバーカードの一体化を目指す方針が、先に閣議決定したデジタル施策の「重点計画」で示されたそうです。

「困ります」母子手帳とマイナカードの一体化 手帳の一覧性は失われ、情報漏えいなどトラブル懸念も:東京新聞 TOKYO Web

 これだけトラブルが重なると、情報が消えたり漏えいしたりしないか心配。(出所:東京新聞

 何でもマイナンバーカードと一体化させればいいということはないのでしょう。デジタルの時代にあっても紙の手帖である良さもあるような気がします。

母子手帳は母子一体の考え方で母と子の情報が合わせて書かれている。親子の絆の証しとして、親が子へ手渡すことも多い」と専門家は指摘しているそうです。

国による上意下達

  国が、マイナポータルで確認できる情報を決め、それを拡充していく方針を示します。一方、それを実行するのは自治体などで、職員が手作業で情報を入力していくといいます。こうしたことがマイナ保険証で起きた誤入力でも確認されています。

 首相は上意下達といっているようですが、現場から遠く離れた人が主導する改革では、得てしてこうしたトラブルが起きがちなのかもしれません。

マネジメント不足か

 経営学者のP・F・ドラッカーは、スタッフ活動の重要性を認めつつも、その問題指摘をしています。トップになる者にとっては、必ず持つべき経験だが、長く続けさせてはいけないといいます。

仕事に精を出すことを軽く見るようになる。正しさよりも頭のよさを大事にするようになる。自らも欲求不満に陥る。自らの成果というものを手にできないからである。人の手を通して間接的に成果をあげるにすぎないからである。(出所:ダイヤモンドオンライン

 まるで今の首相のことを指摘しているような一文です。反乱を起こしたプリコジン氏にも言えそうです。

「何かがうまくいかなくなると、すべてがうまくいかなくなる。しかも同時に」とドラッカーはいって、トップマネジメントの重要性を説いています。

 それは「組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持っている」といいます。

 

 

論語に学ぶ

其の身正しければ、令(れい)せずとも行なわる。其の身正しからざれば、令すと雖(いえど)も、従われず。(「子路第十三」6)

 上に立つ者は、己のあり方が正しければ、命令しなくとも、人々は方針に従う。そのあり方が正しくなければ、命令したとて方針に従わないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 色々事情があるのかもしれませんが、多くの人が反対の声をあげることは適切ではなく、正しくないということなのでしょう。それを知らないから、すべてがうまくいかなくなってしまうのでしょう。

 

「参考文書」

「令和版デジタル改革」新たな看板見切り発車 マイナの苦境、背景に [岸田政権]:朝日新聞デジタル

【あなたの会社は?】ドラッカーが教える「問題ある組織」を見抜く7つのポイント | 定番読書 | ダイヤモンド・オンライン