「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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なぜ上場企業が不正を犯すのか、続く不祥事、消滅する大塚家具から学ぶこと

 

 上場企業での不祥事が立て続けに報道されています。日本M&Aセンターに、アジャイルメディア・ネットワーク。

 守ることができない「法令遵守」。「コンプライアンス」、どこ吹く風ということでしょうか。

ネット関連会社元CFO、5千万円着服した疑い 自身の会社に送金か:朝日新聞デジタル

 会社幹部による不祥事は憂慮すべきことではないでしょうか。

 マネジメントすべき人が不正を行っているようでは、とても適正な運営ができるとは思えません。どれだけ社内外に悪い影響を及ぼしているのでしょうか。

 

 

上場企業が契約書を偽装、署名をコピペ

 日本M&Aセンターでは、契約書を偽造、顧客の署名をコピぺしていたといいます。日本経済新聞によれば、営業担当者や管理職など80人が不正に関与していたそうです。呆れるしかありません。

日本M&Aセンター、過年度決算を訂正 売上高不正83件: 日本経済新聞

 何のために、自ら信頼を崩壊させるような行為をするのでしょうか。

 再発防止策は「顧客から最終契約書の写しを提出してもらうようにする」ということのようです。上場企業がする再発防止策なのでしょうか。

 根本から正さない限り、また違う形で問題が生じかねないように感じてしまいます。

大塚家具消滅 お家騒動の結末

 あの大塚家具がヤマダデンキに吸収合併されるそうです。これによって、創業から半世紀余続いた大塚家具が、会社として消滅することになるといいます。

 大塚家具といえば、一時は上場企業に名を連ねていましたが、お家騒動と揶揄された創業者の父親と長女による「骨肉の争い」により経営が悪化、ヤマダ傘下に入ることで上場廃止となりました。親子対立もこれで終わりになるのでしょうか。

 

 

論語の教え

 父母を事(つか)えては、幾諫(きかん)す。志の従わざるを見ては、又敬して違わず、労して怨まず。(「里仁第四」18)

 父母の下にあって、もし両親に正しくないことがあれば、それとなく諫める。しかし、父母の気持ち(志)が自分の諫めを受け入れないようであれば、元どおり敬意を払って従い、世話を続けて文句を言わない」と意味します。

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礼記」という古典の曲礼下篇には、「人臣の礼たるや、(君主に対して)あきらかに諫めず。三度諫めて聴かざれば、則ち逃(さ)る。子の親の事うるや、(同じく父母に対してもあきらかに諫めず)三度諫めて聴かざるときには、則ち号泣して従う」とあるといいます。

 倫理、道徳の基本のひとつに「孝」があります。「孝」とは、父母を大切にし、言いつけをよく守ること。子としての道を尽くすことなどの意味があります。

「孝」は「仁」の本と言われ、目上の人を敬う人物は反逆などを起こさず、世を乱すようなことをしないといいます。

 親子の徹底的な対立を避ける道を模索していれば、もしかしたら大塚家具の存続はあったのかもしれません。人として、守るべきものを守らないが故に生じる問題ということでしょうか。

 

 

 親子関係を始め、人間社会には様々な関係性が存在します。その関係性を維持しているもの一体何なのでしょうか。

 人が最初につくる関係性は親子関係、それを大切に守れるからこそ、他の関係性も大切にできるようになっていくのではないでしょうか。

 不祥事が起こす人は、そうした大切なことを忘れてい人なのかもしれません。