「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【マイナンバーカードと令和版デジタル行財政改革】上意下達を求める国

 国に煽られるようにしてマイナンバーカードを作りはしたものの、ここ最近のトラブルを見ると、当面は使うのは控えるべきかなと感じています。

 首相が昨日の記者会見でこの問題にも言及、「1日も早く国民の信頼を取り戻せるよう、政府をあげて取り組んでいく」と強調しました。

 しかし、総点検が完了するのにこの秋までかかり、また制度見直しにも時間を要しそうです。なかなか不安解消は進みそうにありません。このまま今しばらくは様子見した方が得策なのでしょうか。

 

 

 政府主導で推進した事業における失態で、多くの国民が迷惑を被っているのに、「事態を重く受け止め、政府内に省庁横断の本部を設け、総点検と再発防止を強力に推進していく」という言葉で済ましていいのかと感じます。

岸田首相、今国会での成果強調 補正予算編成は経済・物価見極め | ロイター

 もっと時間をかけ説明すべきなのでしょうし、記者会見であれば、記者の厳しい追及を受け、それを通して事実を明かして、信頼回復に努めるべきなのでしょう。

 しかし、都合よく解釈した自己満足の成果を強調するスピーチを延々と続け、その中でこの問題が触れられただけです。それでは、事態を重く受け止めると語っても、真に国民を思ってのことではなく、ただ政権運営に影響が出るのを避けようとするためと感じてしまいます。

 ほんとうに国にとって最善の選択がなされ、それによって成果があがっているのなら、わざわざそれを演説する必要もないはずです。中途半端な成果しか上がらず、確固たる自信が持てないから、どうかわかって欲しいと訴えているように聞こえます。残念な会見です。

令和版デジタル行財政改革

 また、首相が自ら認める成果をもとにして、この先「令和版デジタル行財政改革」を進めていくといいます。

国がデジタルで地方行政を支える…首相、きょう「令和版行財政改革」表明 : 読売新聞

 ただこの発言の中に気になるワードがいくつか含まれていました。

・小さくて大きな政府

・国を頂点とする上意下達の仕組みを、国がデジタルによって地方を支える仕組みに転換する。

・国と地方の役割を再定義していく

 どうなのでしょうか。少々心配にもなる内容です。これまでの言動からして、独断専行が加速しないか不安にもなります。

 国会できちんと議論し、また、会見では記者たちとも対話していくことがますます求められていそうです。

 

 

論語に学ぶ

聖と仁との若(ごと)きとあらば、則ち吾豈(あに)敢えてせんや。抑々(そもそも)之を為して厭わず、人に誨(おし)えて倦(う)まざれば、則ち云爾(しかり)と謂う可(べ)きのみ、と。

公西華(こうせいか)曰わく、正に唯弟子は学ぶこと能(あた)わざるのみ、と。(「述而第七」33)

  私を聖人とか仁人とかと評価するが、そのような境地にとても当たらない。しかし、聖人、仁人でありたいと絶えず努力し、また、その道を人に教えることを続けてきた、とあらば、確かにそうだということができる」と孔子は語ります。すると弟子の公西華は、「弟子のわれわれは、そのお教えをとても学習することができないままでいる」と述べたといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 世の中には完全な人格を供えた人などいないということなのでしょう。孔子でさえ、それを希求し、努力はするものそれを手に入れることはまだ出来ていないということなのでしょう。

 こうした言葉に触れると、今の首相の人格はどうなのかと考えてしまいます。今回の会見の内容からすれば、自己陶酔し、また権力への執着が甚だしく、とても信用できそうにありません。

 しばらく不安と付き合っていかなければならないようです。

 

日本の防衛費増額「私が説得した」、バイデン氏が岸田首相への働きかけ示唆 : 読売新聞

 

「参考文書」

<特集>マイナカードのトラブル底無し 岸田首相は秋までに総点検するというが…マイナ保険証利点なし56%:東京新聞 TOKYO Web

“デジタル行財政改革を優先課題に” 岸田首相 国会閉会で会見 | NHK | 国会