「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

エッフェル塔の前でポーズして謝罪する議員、続く混乱、進む劣化

 フランスに海外研修に行った自民党安倍派の松川るい氏が、エッフェル塔を背景にポーズを取る写真をSNSに投稿し、批判の的となり、話題になっているようです。

自民女性局、視察写真が波紋 ネット上「血税で旅行」批判:時事ドットコム

 本人は謝罪し、与党幹部が釈明に追われ、注意、苦言する事態になりました。メディアは松川氏を追いかけ、画像に映るその姿から心からの謝罪ではないと感じます。何か不満をお持ちなのでしょうか。

 

 

 こうなるのも、みなが不満、イライラ、フラストレーションをためているからなのかもしれません。

 首相の強引さが目立ち、問題解決能力が乏しく、その上、国民負担をまったく顧みない、そう思わせるような事案が続くからでしょうか。マイナカード問題は混迷を深めるばかりで解決の糸口を見えません。新たに万博の準備遅れが顕在化してきました。

混乱マイナンバー、総点検「どの情報が正しいんだ」 - 日本経済新聞

 一方で、力強さは欠けているのかもしれませんが株価は好調のようです。しかし、そうした明るい面を打ち消すようなネガティブなことばかりが続きます。

進まぬ改革 

 賃上げや経済などを理由にして、政府は労働市場改革にも踏み込みます。個人の職業選択や学習についてもあれこれと口出ししているようにも感じます。

キャリア自律というけれど 戸惑う個人に響かぬ政策 - 日本経済新聞

今まで企業に任せてきたが何も変わらなかった。同じ会社に雇用されるのをよしとする慣習を変えるために、これからは本人が自由に学んで職を選べるよう個人を起点にした支援に変えるということだ。(出所:日本経済新聞

 一理はあるのかもしれませんが、どうなのかと思うところもあります。

 政府の要求は高まる一方ですが、政府自らは改革しようとの意識は乏しく、変化を拒み、特権を守ることに執着したままのようです。それでは人に求める改革がうまくいかないのも自然なことのように感じてなりません。

閣議決定は“決定”じゃない? 「国会も変わっていかねば」岸田総理発言に批判の声 政府と国会の正しいあり方は | 政治 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ

 国会改革、議員歳費削減などやるべきことがあるはずなのに、そうしたことは等閑視され、そうしたことを批判すべき野党は、第二自民党など、自民党のアクセル役などとわけのわからないこと言い出す始末です。もうお粗末としたか言い様がありません。

 

 

劣化する政権与党

 その自民党では、故安倍元首相の「神格化」が進み、「遺言」が政策の中心となって、首相の政局運営にも大きな影響を与えているといいます。最大派閥「安倍派」は、安倍氏が3度目の登板を狙い、後継者育成をしなかったことで後継者選びが混迷、派内対立が顕在化しつつあるそうです。

故安倍氏「神格化」で〝自民劣化〟【点描・永田町】:時事ドットコム

安倍氏の『遺言』という呪縛が思考停止を招き、政権党としての自民を劣化させている。(出所:時事ドットコム

 首相も自ら安倍政治の後継者と自称し、安倍派を中心とする党内保守派への配慮や擦り寄り、「岸田晋三」などとやゆする声も出ているといいます。その一方で、首相は安倍派の結束が乱れに乗じて、政権運営を安定化させようとしているともいいます。

 こんなことだから国が混乱するのも道理ではないでしょうか。

論語に学ぶ

仁 遠からんや。我 仁を欲すれば、斯(すなわ)ち仁に至る。(「述而第七」29)

 「仁」は最高の徳だが、だからといって決して高遠無比、手の届かないところにあるものではない。しかし、それだけにそれを欲求する熱意が強ければ、たちまちに現前するのである。

dsupplying.hatenadiary.jp

「仁」は至難でもなければ安易でもない。それを現前せしめるのは意志の志の問題としているといいます。

 国会議員たちが心から「仁」を欲し、世のため人のために尽くし、それによって自己の充足を得ることができると悟れればいいのでしょう。そのためにはもう少し試練が必要なのでしょうが、そのために国民が苦しめられ続けるという矛盾が続きます。

 

 

 もうすぐ夏の甲子園が始まりますが、高校野球はただ勝てばいいのか。「甲子園を目指すだけでいいのか……」。勝利至上主義への懐疑から、部活改革に取り組んでいる高校があるそうです。

成長至上主義 球児は自分たちで楽しみを育める - 日本経済新聞

 青森の強豪、弘前学院聖愛高。この高校の原田監督は、監督が何でも決める野球では選手が「指示待ち人間」になると考え、ノーサイン野球を貫いてきたといいます。

 一昨年夏の甲子園に出場し、今夏の青森県大会でもベスト4に勝ち上がり、選手たちが自分で考える野球の強さは証明済みしたといいます。ちょっといい話ではないでしょうか。

 首相も見倣った方がよいのかもしれません。勝ちたがる欲求をもう少し抑制する術を覚えて欲しいものです。

 

「参考文書」

仏視察写真、自民幹部が注意 山口公明代表、岸田首相長男引き合いに苦言:時事ドットコム

保険証廃止、近く閣僚協議 岸田首相、24年秋の延期視野:時事ドットコム

玉木氏「自民のアクセル役になりたい」 福岡市での集会で発言|【西日本新聞me】