もう呆れるというしかありません。大阪・関西万博の準備に遅れが目立ち、政府が運営を建て直す方針を示したそうです。
大阪万博準備、政府が立て直しへ 着工遅れで異例の布陣 - 日本経済新聞
マイナ健康保険証問題の収束がはかどらない政府なのに、また問題を抱え込んで大丈夫なのでしょうか。
その任に当たる経済産業省は原発問題を抱え、「処理水」問題も、風評被害を訴える漁業関係者が反対の姿勢を続けています。
身の丈に合わない望みを持ったばかりに、問題が次から次へと生じるのでしょうか。
木原副官房長官の周りに怪しげ空気が立ち込め、松川議員の海外研修も物議を醸し、もう少し尾を引くことになるのでしょうか。
権力の私物化という批判が強まるのも、あたり前なのでしょう。
損保業界
企業の不祥事も相変わらずのようで、損保業界が大揺れのようです。ビッグモータ問題に加えて、企業向け保険の保険料の事前調整していた疑いがあり、カルテルの可能性もあるようです。
大揺れの損保業界、保険料の事前調整疑いが拡大…カルテルの可能性も : 読売新聞
一方、損保ジャパンはビッグモータとの癒着ぶりが指摘されています。金融庁は、ビッグモーターに対応するチームを設けて損害査定を簡略化していたとさる問題について、検証し、実態を報告するよう損保ジャパンに求めたといいます。
信じがたいことが続きます。氷山の一角でないことを願うばかりです。
論語に学ぶ
子張(しちょう) 行なわるることを問う。子曰わく、言(げん)忠信にして、行(こう) 篤敬(とくけい)ならば、蛮貊(ばんぱく)の邦と雖(いえど)も、行なわれん。言 忠信ならず、行 篤敬ならざれば、州里(しゅうり)と雖も、行なわれんや。立ちてば、則ち其の前に参(しん)なるを見、輿(よ)に在れば、則ち其の衡(こう)に倚(よ)るを見る。夫 (そ)れ然る後に行なわれん、と。子張、諸(これ)を紳(しん)に書す。(「衛霊公第十五」6)
弟子の子張が、行うということについて質問しました。孔子は「発言が誠実で、まごごろがあり、行為に慎みがあれば、文化のない野蛮国であっても、行われるだろう。発言が不誠実で、まごころがなく、行為に慎みがなければ、組織された秩序ある文明国であっても、行われるであろうか。立っているときでも、誠実やまごころ、慎みが目の前に密集しているように見え、車に乗っているときでも、誠実やまごころ、慎みが目の前にある横木にありありと見えるようであることだ。そうしてはじめて行われるようになる」と答えました。子張はこれを自分の大帯に書きつけました。
世界3位の経済大国ですが、それを司る人々から誠実さ、慎みが薄れているのかもしれません。そうでなければ、この事態を説明できないような気がします。
「誠実」とは、私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対することです。
ふるさと納税
ふるさと納税の寄付総額が過去最高を更新し好調のようです。前年度比1・2倍の9654億円になったそうです。寄付を多く集める上位の自治体の固定化が目立ち、大都市を中心に流出の大きい自治体もあるといいます。
「税金が肉や魚に変わっている」 ふるさと納税による流出に歯止めがかからず、自治体から悲鳴:東京新聞 TOKYO Web
本来市民サービスに回る税金が、肉や魚に変わっているのは危機的な状況だ。おそらく全国一、影響額が大きい。(出所:東京新聞)
大きな流出額に危機感を募らせる川崎市の福田市長が「多く寄付金をもらえている自治体の返礼品を見ると肉、魚、生鮮食品。まさにネットショッピング化していると言わざるを得ない。ふるさと納税の本来の趣旨と現状は乖離している」と述べたといいます。
過剰になってきたような気がします。税金を扱うだけに過当に競争原理が働くのはどうかと思います。ふるさと納税を仲介するサイトが積極的に広告したり、手数料ビジネスで大きな利益をあげることになるのも如何なものかと感じます。スキームに問題があったりするのかもしれません。
ふるさと納税に反対するつもりではないのですが、よいことも過ぎると弊害が生まれ、問題となることもあります。問題が小さいうちに手を打ち、改善しておいた方がベターなのかもしれません。
些細なことと思われることが放置され、やがてそれが取り返しがつかなくなり、大きな問題になるのでしょう。問題が小さいうちに対処できば、大きな損失にならなくて済みますが、問題が大きくなれば、解決には時間も手間も要することになるのでしょう。
世間が落ち着くにはもう少し時間がかかりそうな気がします。
「参考文書」
関西経済同友会、万博建設費「上振れ分の負担は厳しい」 - 日本経済新聞
大阪・関西万博 海外のパビリオン準備遅れで対応加速へ 経産省 | NHK | 大阪・関西万博
金融庁 損害保険ジャパンに査定簡略化の検証 報告求める | NHK | 金融庁