「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

不誠実な経営、スト権を確立したそごう・西武の労組

 日々起こる出来事に驚き、未来が心配になることが増えます。猛暑が連日続くようになりました。そんな中、原発再稼働費を消費者が負担する制度を経済産業省が検討しているといいます。

原発再稼働費を消費者が負担 電気料金で新電力と契約でも:東京新聞 TOKYO Web

 熱中症対策で「エアコンの使用」といわれる中、さらに電気料金がまた値上げるようなことになるのでしょうか。

 巨費を投じ、なおかつそれを国民が負担しなければ維持できないできない設備は不要といっていいのでしょう。なぜにこうも次から次へと愚策を思いつくものです。これでは国への不信をさらに助長させるだけではないでしょうか。

 

 

 保険金の不正請求問題でビッグモータがメディアの追求を受け、国も実態調査に乗り出すようになりました。これ以上、不正が社会に蔓延しないよう信用の再構築が求められているのでしょう。

ストライキ、会社の不誠実さに抗議

 セブン&アイ・ホールディングスがそごう・西武の売却手続きを進める中、そごう・西武労働組合が声をあげ、組合員が93.9%の賛成多数でストライキ権を確立したそうです。

そごう・西武労組、スト権確立 セブン&アイ側に事前協議要求 - 日本経済新聞

スト権を後ろ盾にして、親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)側に対してそごう・西武売却後の事業計画や雇用継続についての情報開示、事前協議や団体交渉を求めていく。(出所:日本経済新聞

「これまでのセブン側の対応は不誠実だった。今回の結果は全組合員の意思表示だ。そごう・西武の経営陣にも事業会社として進むべき方向性を具体的に提示してほしい」と、労組の寺岡中央執行委員長が語ったといいます。

 労組はセブン側の対応が変わらなければストを実行する考えといいます。百貨店におけるストの実行は近年なかったといいます。仮に実行となれば、買い物をする消費者への影響は避けられず、「評判」を落とす可能性も否定できないといいます。

 企業の成長を考え最善の策を選択したはずが、従業員からNoを突きつけられ、また、地元からも反対の声があがる、経営者の判断基準が賢くなかっただけのことかもしれません。

 

 

論語に学ぶ

賢を見ては、斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては、内に自ら省みるなり。(「里仁第四」17)

 賢明な人物の言動を見ては、自分もそうありたいと思い、愚者のそれを見ては、自分はそうあってはならないと反省すると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 抜け目なく、要領もよく賢そうに見えても、実は道理に疎く、賢明ではない人が権力を預かることが増えているのかもしれません。そうした「不賢」、浅慮、分別のなさに巻こまれないのが賢明なことということなのでしょうか。

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 海外では抗議やストが頻発しています。最近では米国の俳優ら16万人が加入する俳優組合がにストに突入した事例もありました。日本でも声をあげて抗議すべきなのかもしれません。

セブン、「物言う労組」と対峙 そごう・西武のスト権確立は世界の波 - 日本経済新聞

セブン&アイは物言う株主だけでなく、子会社の「物言う労組」と対峙する格好だ。米国では労働者の活発な行動がうねりとなっており、経営者は「2つのアクティビスト」と渡り合わねばならない時代に突入している。(出所:日本経済新聞

 時代の変わり目なのかもしれません。これまで賢いとされたことが、これからもそれがそのまま賢いということではなさそうです。経営者はもっと社会に向き合っていかなければならなくなったということなのでしょう。

 これまで是とされてきた経済成長に対する考えをアップデートするときなのかもしれません。