「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ビッグモータの記者会見とメディアの力、社長は刑事告訴発言を撤回した

 世間を騒がしているビッグモータが記者会見を開き、また、社長の兼重氏と副社長の息子が辞任しました。

ビッグモーター会見 兼重社長「天地神明に誓って知りませんでした」 - 日本経済新聞

 カバナンス不全、悪しき企業風土、数値至上主義、見せかけの顧客主義、従業員への思いやりの欠如..... こうやって企業は躓いていくということでしょうか。

 これらの改善を託された後任社長の責務は重そうです。

 

 

損保ジャパン

 損保ジャパンの対応のまずさも露呈しています。はやくから不正の情報を把握しながら保険契約者にビッグモーターの整備工場を紹介していたことが明らかになりました。

損保ジャパン 契約者にビッグモーター工場紹介、不正把握後に再開 | 毎日新聞

損保ジャパンも紹介を一時中断したが、出向者を通じて「工場長から不正の指示があった」との情報を把握しながらも、22年7月に再開していた。その後、他にも不正請求が判明したため、9月に再び紹介を停止したという。(出所:毎日新聞

 記事によれば、損保ジャパンの白川社長は陳謝し、「軽率だった。判断は誤っていた。顧客におわび申し上げる」と語ったといいます。

「ここまでのことが行われているとは想像していなかった」、

信用が崩壊してしまったといっていいのかもしれません。

論語に学ぶ

已(や)んぬるかな、吾未だ能(よ)く其の過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり。(「公冶長第五」27)

 人間は過ちを犯すことは避けられません。しかし多くの場合、人はあることが過ちであることに気がつかない、あるいは気づこうとしないといいます。また、気がついてもなんとか取り繕うとしてしまうともいいます。

 本当に学問をしている者、教養ある人は、過ちを知ったならば自分を心で咎めなければならないが、そういう人間が見られなくなったと嘆き、これでは、もうおしまいと言わざるを得ないと言ったといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今も昔変わらないままのものもあるということでしょうか。それも現実。

 教養を身につけて、人としての品格を高めることの大切さを痛感する出来事です。

 

 

記者会見とメディアの力

 記者会見で兼重社長はメディアについても言及しました。「メディアの力はすごい、影響力は半端ではないと考えている。確かに売り上げがゼロになるわけではないがすごい影響力がある」と語っています。

 そういう意味では、この問題に対して、メディアが本来の機能を正しく発揮したのかもしれません。

 また、従業員の不正行為に憤り、刑事告訴を含む厳正な対処をすると語った兼重氏も、記者会見の最後には、その発言を撤回し、「刑事告発うんぬんと言ったが、今考えるとその責任は私にあるなあということで、そのあたりは厳正に対処するがそこまでする必要はないなと考えています。考え直しましたので」と述べたそうです。

 長時間に及ぶ記者とのやり取りが兼重氏の心理に何か影響を与えたのでしょうか。

 こんな現実を目の当たりにすると、政治においても同様な力が働けばよいのではないかと思います。

 こうした力を知っているから、首相の記者会見は一方通行的な色彩が強く、また、やたらメディア統制したがるのでしょうか。

 

「参考文書」

内部告発で覚知 ビッグモーターの保険金不正請求問題を巡る経過 | 毎日新聞

内部告発者の証言改ざん ビッグモーター保険金不正:東京新聞 TOKYO Web