「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

分断助長、SNSの罠によって操作される世論

 米国の大統領選挙が1か月後に迫ってきました。米政府は、中国やロシア、イランによる選挙介入に警戒を強めているそうです。AIを使った偽情報の拡散や高官の暗殺、米国内の過激派の誘導などのリスクがあるといいます。

アメリカ政府、中国・ロシア・イランの大統領選挙介入に警戒強める 対策実施 - 日本経済新聞

 現実、イラン政府とつながりのあるハッカーが、米大統領選の陣営幹部のアカウントに不正アクセスを試みたことが明らかになっています。こうした犯罪のような行為によって、米国の民主制度や社会的結束への信頼を弱体化させることにつながることはあるのでしょうか。

 

 

 世論操作に選挙妨害、あって欲しくはないことですが、米国においては現実に起きていることのようです。権威主義的な体制下にある国家が米国だけを標的にするばかりではなく、逆に米国も他国にネットを介して影響を及ぼしているようです。

米CIA、中国・イラン・北朝鮮の情報提供者募集にSNS活用 | ロイター

 米CIAがSNSを使って情報提供者を募集しているといいます。すでにロシアで成功している手法だといいます。CIA 米中央情報局は、国家による抑圧と世界的な監視の強化に対応しているのだといいます。

 日本はどうなのでしょうか。総選挙が近づくだけに気になります。

 中国では、「沖縄独立」を促す偽動画が、SNS上で拡散し続けているそうです。主に中国語による中華圏に向けたSNSの投稿だそうですが、日本の世論分断にもつながりかねないことだといいます。

「沖縄独立」煽る偽投稿拡散 背後に約200の中国工作アカウント - 日本経済新聞

 明らかな偽情報でも、それを否定する投稿をすれば、かえって拡散が進んでしまう、それが「SNSの罠」だといいます。「沖縄独立デモ」という偽動画があれば、沖縄と中国のつながりが印象づけられ、「沖縄の反基地運動の背後には、中国がいるのでは」という疑念を生むようになるといい、日本の世論分断を刺激する効果は十分ありうるそうです。今後は中国語で仕掛けているSNS上での拡散が、日本語圏のSNSにも広がる可能性は否定できないようです。

 

 

論語に学ぶ

由よ、女に之を知るを誨(おし)えんか。之を知るは知ると為し、知らざるは知らずと為す、是れ知るなり。(「為政第二」17)

 由(子路)君よ、「知るとは何か」教えよう。知っているとは知っているとし、知らないことは正直に知らないとする。それが真に知るということなのだと孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

  無知を自覚することが真の認識に至るということのようです。知っていることと、知っていないことを明確に区別することが、個人として行動を明確にするし、また、学問、技術などの進歩のもとになるともいいます。

 どんな情報、どんなことにも疑問を持ち、問いを立てて考えるようにしていかなければならないのがネットが発達した現代においては求められるようになっているのでしょう。

 

 

「X(旧ツイッター)」が全面的に停止されているブラジルでは、もし再開されても「X」を使わないと答える利用者が多いそうです。

ブラジル「Xなき日常」1カ月 3割がメンタル改善 - 日本経済新聞

「Xのない日常」がSNSの功罪を見つめ直すきっかけにもなっているといいます。使えなくても不便となって迷惑と感じる人がいるのかもしれませんが、なくなっても大きな混乱もないようなのです。なくなってもよさそうな気はします。なくなってメンタル改善にも役立つのならなおさらです。

 もうそろそろSNSスマホに替わるサービス、ツールが誕生させるときなのかもしれません。

 

「参考文書」

イランのハッカー、米大統領選陣営幹部を標的に MS報告書 | ロイター