「NGリスト」、NHKが、ジャニーズ事務所が先日開いた会見で、運営を託された会社が、会見で質問の指名をしないようにする資料「NGリスト」を持参していたとスクープしました。ジャニーズ性加害問題の余波が広がりそうです。
ジャニーズ事務所会見 会場に質問指名の「NGリスト」 | NHK | ジャニー喜多川氏 性加害問題
ジャニーズ事務所から委託を受けた企業の失態なのでしょうが、委託したジャニーズ側にも痛手になることは間違いなそうです。
当日の会見の雰囲気が異様だったといわれるのにも何か関係があるのでしょうか。
会見当日、場を乱したとされた人たちも声をあげ、再度の会見を要求しているようです。 新たな事実が明らかになり、また事態が少しずつ進展したようです。事務所側に誠実な対応が求められそうです。
創業者による性加害の被害が拡大した背景に「メディアの沈黙」があるといわれました。この報道に、メディアがそれを悔い改め始めているとみていいのでしょうか。
ジャニーズへの忖度
日本テレビもジャニーズへの忖度を認める社内調査結果を「news.every」で公表したといいます。
日本テレビ、ジャニーズへの忖度を認める「怒らせたら面倒」「競合タレントはキャスティングしない」 | ENCOUNT
日本テレビでは20年以上前からジャニーズ事務所に対して怒らせるとキャスティングができなくなるでは、取材ができなくなるのではといった認識や雰囲気が生まれていました。(出所:ENCOUNT)
また、日本テレビは、ジャニーズ事務所に所属するタレントの報道番組出演について、「出演が決まっているタレントについては変更はない」としているといいます。
現在、『news zero』に櫻井翔氏が出演していますが、続けることになるようだといいます(来春卒業との報道もあるようですが)。
「タレントには非はない」とされてきた所属タレントたちの今後が気になります。それぞれが社会人の一員として毅然と対応していくことが求められることになりそうです。
論語に学ぶ
已(や)んぬるかな、吾未だ能(よ)く其の過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり。(「公冶長第五」27)
残念だが、己の過ちを認め、心の中で己を責めることができる者に出会ったことがないのだと孔子がいいました。
人が過ちを犯すことは避けられません。しかし、それをなんとか取り繕うとするのも人というものなのでしょうか。
人間的であろうと、本当に学問をして、道徳的であろうとする人なら、過ちを知ったならば自分を心で咎めることができるといいます。
そういう人が少なくなり、みなが言い訳をはじめ、それがまかり通るようになってしまえば、社会が危ういものになっていくということなのでしょう。
この問題で「沈黙」と指摘されたメディアが自らの過ちを認め、それを正して、公正な報道に努めて欲しいと改めてそう思います。商業主義に陥ることなく、権力を監視し、国民の知る権利に応えていく、そんなメディアであって欲しいと願うばかりです。それはこの問題ばかりでなく、政治を含めどんな事案でも同様なのでしょう。
「参考文書」
嵐・櫻井翔が日テレ『news zero』来春卒業へ 性加害問題以降歯切れ悪く…「いますぐ降ろすべき」と痛烈批判も | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]