「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

また凶悪事件、壊れゆく社会、進まない議論に憤る大学院生

 

 長野県で立てこもり事件がおき、犯人が逮捕されました。犠牲者が出る惨事、犯罪の凶悪化が心配になります。身近なところで立て続けに事件が起きています。事件防止の手立てはないのでしょうか。動機を解明し対策することで、事件を生まない社会になればと思います。

ある大学院生の声

 5月7日に放映されたNHK日曜討論に出演し、小倉こども政策担当大臣と議論を交わした一人の大学院生の発言が話題になっているといいます。

SNSで1000万回再生! 大臣を「論破」した大学院生が伝えたかったこととは(今野晴貴) - 個人 - Yahoo!ニュース

 記事によれば、彼女の発言を切り取った動画は、SNS上で1000万回以上再生されているそうです。

 

 

少子化対策のみならず、生活保護とか、社会保障の話になった途端、いつも財源の話から入るなって思うんです。「財源がないから難しい」とか『やるなら財源をどこかから取らなければ無理だ』という話になって、いつも社会保障の話は要求が封じ込められていくと思うんですよね

その一方で、『オリンピック開催します』とか『防衛費増額します』ってなった時って、財源の話って最初にあったっけ? と。それは開催ありき、増額ありきだったわけじゃないですか。結局「どこに予算を配分するか、という優先順位が、そもそも少子化だったり社会保障はすごく低く見積もられてるんじゃないかなと思います。(出所: Yahoo!ニュース)

 また、番組では若者と高齢者の「給付と負担のバランス」が議題となり、高齢者関係の給付が増え続けている一方で、児童・家族関係の給付は少ないというグラフが示されたのに対し、大学院生は「予算を高齢者に振り向けるのか、若者に振り向けるのかという二者択一を迫ること自体が『罠』だ」と反対意見を述べたそうです。番組の用意した「筋書き」に疑問を呈し、若者と高齢者の対立を煽る論調に警鐘を鳴らしたといいます。

現場に立っている者として強調したいのは、貧困問題は「ディベートのお題」ではなく、現実の問題だ。(出所: Yahoo!ニュース)

 論点をずらしてはぐらかし続ける大臣、まるで言葉遊びのようなテーマの中で空中戦が繰り広げられる様子に、この大学院生は憤りを覚えたと記事は紹介しています。

 

 

論語に学ぶ

子貢(しこう)、政を問う。子曰わく、食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず、と。

子貢曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、兵を去らん、と。子貢曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、食を去らん。古(いにしえ)自(よ)り皆死有り。民 信ずる無くんば立たず、と。(「顔淵第十二」7)

 子貢が為政者の心構えを質問した。孔子は「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と答えます。すると子貢はその優先順位を質問します。孔子は、「信」を第一にあげ、「為政者への信頼がなければ、国家も人も立ち行かない」といい、次に生活をあげ、最後に「軍備」をあげます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 大学院生の言葉と孔子の言葉が重なります。SNSで話題になるのも、わかるような気がします。多くの人たちが疑問を感じているのでしょう。

政治の衰退、壊れゆく社会

 また、この大学院生は「変化を望む人々はこの10数年、「選挙」政権交代」に希望を託すようになったが、何か大きな成果はあったのか」と疑問を投げかけます。

 さらに「そうしている間にも、社会はどんどん壊れています。雇用は劣悪化し、普通に働いても生きていけない人が増えています社会保障は拡充されるどころか削られており、民間のフードバンクには学生から会社員のワーキングプアまで、食料を受け取りに訪れる危機的な状況が広がっています」といいます。

 

 

 「時間も方法も限られた「選挙」に限らず、さまざまなチャンネルから社会参加の道を模索していくことが、今、求められているのではないか。そしてそれが、ひいては「政治」の再生につながる道でもあるのではないだろうか」と記事筆者は主張します。

目立つ傲慢さ

 公明党が東京都内の選挙区で自民候補を推薦しない方向といいます。連立政権を組む自民党との間に溝が生まれているのでしょうか。

公明、東京で自民推薦見送り 28区は擁立せず、25日方針決定:時事ドットコム

 記事によれば、衆院小選挙区の「10増10減」で新設された東京28区の候補者調整で、「候補者はいない」と説明を受けていたと明かし、「誠実な協議とは言えない」と非難したといいます。

 傲慢さの現れなのでしょうか。信頼はこうして失われていくのものなのかもしれません。それがまた不信感ばかりの社会につながっていくような気がします。

 

「参考文書」

女性襲い「殺したいから」、現場は市議長宅付近か 迷彩服男、刃物と銃を所持:中日新聞Web