「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナ渦の終わり、終わらない紛争

 

 ゴールデンウイーク、外は快晴、何気ない日常の風景に安堵します。長ったコロナ渦がようやく明けそうです。連休明けには感染症の分類も変わるといいます。

 せわしなかったコロナ渦、色々な出来事がありました。混乱のときだったということなのでしょう。政治の未発達をまざまざと見せつけられ、社会もまた未成熟である様を見たような気がします。この間に施された様々な政策の後遺症と今しばらくつき合っていかことになりそうです。

 目を世界に転じれば、遠い異国の紛争は未だに収まらず、またアフリカの地では新たな惨事が始まっています。誰も望んでいないはずの争いをごく少数の人によって引き起こされることが残念でなりません。人々の努力でこれだけ文明が発展したというのに、人の努力ではどうにもならないこともあるということなのでしょうか。

 ほどほどの緊張は避け得ないものなのかもしれませんが、紛争はもう懲り懲りです。終わらすための協調に努力を尽くしても、その終わりの兆しすら見えません。それなのに、新たな紛争につながりかねない緊張を必要以上に高めてようとする輩がいるようです。

 また、メディアが、中国が台湾有事をにらみ兵力増強を急いでいると報じます。ほんとうにそうなのでしょうか。兵力増強の動きはあるのかもしれませんが、短絡的に台湾有事に結び付けていいのかと感じます。中国主席に質問したのでしょうか。

中国軍、台湾有事にらみ兵力増強 退役軍人や理工系学生 - 日本経済新聞

 一方で、中国内には、戦争自体に反対する声もあるそうです。

「ロシア・ウクライナ戦争とは違う。台湾侵攻で死ぬのは中国人だ」、「代償のことを考えずに統一する意義は何なのか」と.....

「戦狼外交」を展開する習近平政権下において、識者の対外強硬論が増えているのも現実のようですが、中国軍による侵攻論を主張するタカ派の経済学者の極論がインターネット上に公開されると、冷静な人々から集中砲火を浴びる形になったともいいます。

【中国ウオッチ】早期台湾侵攻論、中国で非難轟々─大学教授「5年以内開戦」:時事ドットコム

 悪者に祭り上げられる当事国の民にも反対する声があるようです。もしかしたらその方が多数なのかもしれないと思ったりします。

 攻め込まれるであろうもう一方の当事国においても同様のようです。

「台湾と中国は戦争にならない。周りを見てください。みんな食べて飲んでいつも通りだよ」

「大多数の人は近い将来戦争が来ると思っていない。中国大陸政府を敵と見ている人も割に少ない」と話す台湾の専門家もいるといいます。この専門家は「戦争を回避するため、市民社会がそれぞれの政府に働き掛けることや、市民の連携が重要」という考えも示しているそうです。

「みんな食べて飲んでいつも通り」 台湾の人々は“有事”をどう感じる? 現地を訪れた記者がルポ〈東アジアの中の沖縄 第1部「有事」への眼 プロローグ〉 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト

 記事によれば、台湾には日米同盟で中国を抑止する必要があると考える人もいる一方で、戦後の政治弾圧を体験した台湾では、基地負担に苦しむ沖縄に同情を寄せる人も少なく、台湾のために「沖縄を犠牲にしてはならない」と主張する人もいるといいます。

論語に学ぶ

狂にして直ならず、侗(どう)にして愿(げん)ならず、悾悾(こうこう)にして信ならずんば、吾之を知らず。(「泰伯第八」16)

  ひとつのことに打ち込む集中力はあるけれども、どこかまっすぐなものがない、無知であるはずなのに、分を心得ない。誠がありそうで、実は信頼できない、となれば、私はどうしてよいか分からないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 本分をわきまえれば、いい仕事ができはずなのに、自分の本分を忘れて、世間を騒がすようなことがあってはならないのでしょう。

 折角、忌々しいコロナ渦が終わりを告げようとしているのですから、もうコロナ以前に戻ることなく、社会をアップデートできるよう、自分自身を高めていきたいものです。