「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

次々と明るみになる関係、収まらない騒動、優柔不断なのではないか

 

 台湾での世論調査で、中国による台湾周辺で行われた大規模軍事演習について、8割弱の台湾の人々が「怖くない」と回答したといいます。台湾市民の落ち着いた反応が浮き彫りになったとJIJI.comが報じています。

 備えあれば患いなしといいます。もしもの事態への備えがあるからなのでしょうか。

 一方、日本の備えの問題点を日本経済新聞が指摘しています。

台湾有事、備え足りぬ日本 危機体制づくりの猶予短く: 日本経済新聞

 想定事態が起こり得るとして整えておく自体について否定はしませんが、そうしたことを断じて起こさせないとの強い意志が何よりも欠かせないことではないでしょうか。

 力に力で対抗しようとすることは愚かな行為であり、あくまでも平和を希求し、そのためのあらゆる努力を怠らないことが使命なのでしょう。

 

 

 ウクライナを事例にして、あってはならないこととして備えようとする主張は理解できます。しかし、備えを野放図とせず、ウクライナを知って断じて武力を用いることを許さず、それを絶対に阻止するとの誓いがなければならないのでしょう。

 他方、国内はいまだ特定団体と政治のかかわりとの騒動が続いているようです。

旧統一教会系に会費6万円 自民萩生田氏、継続的な関係か:東京新聞 TOKYO Web

 東京新聞によれば、萩生田政調会長の関係する「はぎうだ光一後援会」や自民党東京都第24選挙区支部が、教団側との継続的な関係性を疑わせる支出があったといいます。断っても断ち切れない仲なのでしょうか。

 首相の人事に疑念が生じ、求心力が低下することはないのでしょうか。それとも、疑義はあっても最大派閥を優遇することのほうがいまだにメリットがあるのでしょうか。

論語に学ぶ

其の鬼に非(あら)ずして之を祭るは、諂(へつら)うなり。義を見て為さざるは、勇無きなり。(「為政第二」24)

「鬼」は祖先の霊魂。子孫以外の者が、鬼を祭ってはならないといいます。そうであるのに、自分の祖先の霊魂でもない、有力な他家の鬼を祭るのは、その有力者に対する諂いになってしまいます。こうした祭祀に関してなすべきことと、なすべからざることを、はっきり見定めたうえ、なすべきことをせずにすますのは、勇気がない、つまり卑怯である、との意味です。

dsupplying.hatenadiary.jp

「義を見て為さざるは、勇無き也」、この言葉が決定的瞬間に正義の行為への発動を支えているように思われると、桑原武夫はいいます。

 しかし、前段の言葉からすれば、諂いがあってはならず、諂いがあれば、それは勇気ではなく、卑怯になってしまいます。

 最大派閥に諂って得られることとは何なのでしょうか。

 

 

 力を誇示し威圧しようとするものに媚びることは卑怯な行為なことなのかもしれません。毅然とした態度で臨むことを常にしなければならないのでしょう。しかし、仮に相手が懐柔しようと仕掛けてくることがあれば、意識的に媚を売っておくこともいいのかもしれません。「礼」に反しない範囲で駆け引きがあってもよいのではないでしょうか。

 有史以来、大陸からの外圧に苦しんできたのがこの国の歴史ではないでしょうか。選択を間違え、ならぬ人たちが力をもったときに悲惨なことがおきました。同じ歴史を繰り返しては絶対にならないのでしょう。

 優柔不断な態度を見ていると、また同じことが起きはしないかと危惧する一面もあります。

 

「参考文書」

中国演習「怖くない」78% ペロシ氏訪問歓迎は5割超―台湾世論調査:時事ドットコム