「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

非難ばかりでは対立は解消しない、忘れてはならない「気候クラブ」の理念

 

 ドイツ南部エルマウで開催されていたG7サミットが閉幕しました。成果文書である首脳声明が発表され、ウクライナ情勢、中国、北朝鮮などについて言及、非難したそうです。

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 それとは別に、議長国ドイツが提唱した「気候クラブ」についても言及があったといいます。

 日本経済新聞によれば、「気候クラブ」は、省エネなど脱炭素分野で共通の目標を導入することを念頭に置いているそうです。サミットでは2022年末までに設立することで合意、詳細な制度設計は今後詰めるといいます。

35年までに電力部門の全部または大部分を脱炭素化するとも記載した。地球の気温上昇を1.5度以内に抑えるというパリ協定の目標に向けて温暖化ガス削減を進めることを世界に働きかけることでも一致した。(出所:日本経済新聞

 

 

 対立ばかりになっていますが、気候変動については、G7としてパリ協定の目標を実現するというメッセージを発しておく必要があったといいます。11月にはG20首脳会議が開催され、そこでも気候変動が主要議題になるといいます。排出量が多い中国、インドとの連携を進めていくためのことなのでしょうか。

論語に学ぶ

君子は矜(きょう)なるも争わず。羣(ぐん)すれど党せず。(「衛霊公第十五」22)

 君子は、誇りを持ち他者と争うようなことはしない。また、共同はするが徒党を組むようなことはしない、と意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 対立が起きれば、対立する者同士、互いに勢力を大きくしようと理念はさておき徒党を組もうとするのでしょう。しかし、君子であるなら、プライドをもって争いを避け、理想を実現するために協働する、そして、それにブレがないのでしょう。

 

 

 元々ドイツのシュルツ首相には、「気候クラブ」を気候変動対応や社会的に公正な世界に向け、先導する枠組みにしたいという思いがあったといいます。また、G7を気候中立、公平な世界に向けた先駆者にしたいとの願いもあったそうです。

G7を気候対応の先駆者に、来年議長の独首相が新年演説で主張へ | ロイター

こうした機関は世界的な気候対応を加速させるだけでなく、グリーン関税制度の違いに起因する貿易紛争の回避にもつながる。(出所:ロイター)

 実際に対立が起きてしまうと、その解決には並々ならぬ努力が必要になることを、嫌になるほどに思い知らされています。同じ過ちが起きないよう、G20は意味あるものにしなければならないのでしょう。また、G20が今ある対立の解消に向けてのきっかけになるべきなのでしょう。気候クラブへの賛同をどれだけ増やせるかもG20の課題になるのでしょうか。

 

「参考文書」

G7、気候クラブ年内設立で合意 新興国などと共通目標: 日本経済新聞