夜が明ければ、戦いが終わっている、そんなことばかりを願っている。しかし、現実ではなかなか実現しそうにない。
仏独首脳がプーチン大統領と電話会談したというが、進展はなかったようだ。
ウクライナ1300人戦死 欧州最大級の原発「接収」 | 共同通信
ロシア大統領府は、プーチン大統領が、仏独両首脳にロシアとウクライナの代表がビデオ会談を続けていると説明したという。また、3首脳はロシアの要求の実現可能性を検討したという。
同盟関係
JIJI.COMによれば、キエフ周辺では、ロシア部隊が北西と北東から包囲を進め、中心部まで約15キロの地点に迫っているが、ウクライナ軍の抵抗も激しいという。また、ロシア軍は11日、補給と再装備のため進軍を一時停止したという。8~10日の攻勢失敗を受け、態勢の立て直しを図っている模様という。
ロシア軍、首都攻撃の態勢構築 西部に戦線拡大―ウクライナ軍「死者1300人」:時事ドットコム
ロシアは同盟国ベラルーシにも参戦を迫っているとの見方が出ているが、ルカシェンコ政権は犠牲を嫌い、参戦に後ろ向きとされる。(出所:JIJI.COM)
報道の通り、ウクライナの抵抗が強いのであれば、ベラルーシが二の足を踏むのわかるような気がする。静観なら、決定的な同盟の亀裂にはならないのかもしれない。
諫言
ロシアの富豪が、大統領府によるロシア事業撤退を表明した企業の資産差し押さえに触れ、国を100年あまり逆戻りさせる措置だと警鐘を鳴らしたという。
CNN.co.jp : ロシア富豪、プーチン氏に警鐘 撤退企業の資産接収なら100年前に逆戻り
欧米企業や投資家に対して門戸を閉ざせば、1917年の革命以前の混乱した時代に逆戻りする恐れがあるとして、資産接収に関しては極めて慎重に対応するようロシア政府に促した。(出所:CNN)
CNNによると、富豪のウラジーミル・ポターニン氏はテレグラムに投稿したメッセージで、資産接収に動けば「今後数十年にわたって世界の投資家からロシアに不信感が向けられる結果になる」と指摘したという。
このメッセージはプーチン大統領に届くのだろうか。
論語に学ぶ
微生畝(びせいほ) 孔子に謂(い)いて曰わく、丘(きゅう) 何ぞ是(こ)の栖栖(せいせい)たる者を為すか。乃(すなわ)ち佞(ねい)を為す無からんか、と。孔子曰わく、敢(あ)えて佞を為すに非(あら)ず。固(こ)を疾(にく)めばなり、と。(「憲問第十四」32)
微生畝という隠者が「おい丘(孔子の名)よ、何をせわしげにしとるのか。しゃべっては他人さまのご機嫌とりかよ」と孔子に悪態をついた。すると孔子は「弁舌で他人を謀るわけではありません。頑固な世の人の蒙を啓くためです」と答えたという。
露骨に批判したのでは聞く耳を持たぬことは往々にしてあるものだ。頑迷固陋に陥る、物知らずで道理がわからない人には、戦争反対というよりは、その行為が自らの益にならないことを伝えることが肝要なのだろう。
他のロシアの実業家たちも勇気を奮って、ポターニン氏に続き、諫める言葉を発してもらいたいものだ。