微生畝(びせいほ) 孔子に謂(い)いて曰わく、丘(きゅう) 何ぞ是(こ)の栖栖(せいせい)たる者を為すか。乃(すなわ)ち佞(ねい)を為す無からんか、と。孔子曰わく、敢(あ)えて佞を為すに非(あら)ず。固(こ)を疾(にく)めばなり、と。(「憲問第十四」32)
(解説)
微生畝が孔子に悪態をついた。「おい丘よ、何をせわしげにしとるのか。しゃべっては他人さまのご機嫌とりかよ」と。孔子は答えた。「弁舌で他人を謀るわけではありません。頑固な世の人の蒙を啓くためです」と。(論語 加地伸行)
「微生畝」、隠者の仮名とされる。「微」、かすかな取るに足らないもの、「畝」、畝(うね)を耕しての生活者との意味と加地は解説する。
「丘」は孔子の名。あえて名を使っているのは、喧嘩を売っているという。
「佞」とは、弁才、口才のあること、この言葉自体に悪い意味はない。善佞もあれば悪佞もあるという。
「関連文書」
(参考文献)