「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ガソリン高騰、増産要請したのに、なぜ、サウジ高官は「聞いていない」というのか

 

 ガソリンが高騰を続けています。低燃費走行を心がけても焼け石に水、9週連続で値上がりし、レギュラーガソリンは170円代目前といいます。

 今日11月7日は二十四節気の「立冬」です。この日が冬の始まりといいます。今年はラニーニャが出現し、寒い冬も予想されています。今後のエネルギー価格が気になります。

「IEA 国際エネルギー機関等と連携して、主要な産油国へ増産の働き掛けを行うこと」が重要。

 経産相を中心に働き掛けを行うと発言した首相の意思とは裏腹に、OPECプラスは、従来の生産計画を維持、12月の追加増産を見送ったそうです。消費国からの増産依頼があったにもかかわらず、会合はごく短時間で終了したといいます。

 

 

 追加増産を協議したOPECCプラスの閣僚級会合終了後、サウジアラビアのエネルギー相がオンラインで記者会見し、「日本政府による増産要請について、聞いていない」と明らかにしたといいます。さらに「日本の新しい大臣が就任した時にお祝いの電話をかけたが、折り返し電話もない」と暴露したそうです。

「日本の増産要請、聞いてない」 サウジ・エネルギー相が暴露:時事ドットコム

「日本には新しい大臣は折り返しの電話をできないという法律があるのではないか」と首をかしげる一方、「もし都合が許せば来週にも電話して祝意を伝えたい」と語った。(出所:JIJI.COM)

 ことの真意は不明ですが、相手がそういうのですから、何か礼節に欠く行為、失礼があったのでしょうか。

丁寧過ぎる礼は無礼

「礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ。喪(そう)は其の易(おさ)まらんよりは、寧ろ戚(いた)めよ」と、論語「八佾第三」4 にあります。

 日常のあいさつも「礼」の一種で、そのときに相手を思いやる心がなければ、それは単なる所作になって、わざとらしく「慇懃無礼」になってしまいます。

慇懃無礼」とは、あまりにも丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げているさまのことをいいます。

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「礼」の意義は、儀式とか儀礼とか小さい範囲に限られたもので無く、礼の礼たる要は、社会全般に渡って秩序を維持するというところにあると、渋沢栄一が解説します。

 

 

 サウジのエネルギー相の発言が公の場でのこと、何か憤慨するようなよほどのことがあったのでしょうか。そう相手が感じてしまったなら、お願いごとをしても聞き入れてもらえないのも、至極当然なことなのでしょう。いずれにせよ、日本の恥を晒さしたようなものです。

論語の教え

 礼の重要性と政治のかかわりを論語にある言葉を使って、渋沢栄一が説明しています。

「礼を修めて仁ならんとすれば、まず己れに克って、私慾私心を棄ててしまわなければならない。これが精神修養の道では無いのか。また己に克って礼を修めれば、天下は仁に帰して秩序が整然となる。これが政道の極意では無いか」と言っています。

「顔淵 仁を問う。子曰わく、己を克ちて礼に復(ふく)するを、仁と為す。一日 己を克ちて礼に復すれば、天下 仁に帰す。仁を為すは己に由(よ)る。人に由らんや、と。

顔淵曰わく、其の目(もく)を請いて問わん、と。子曰わく、礼に非(あら)ざるもの視ること勿(な)かれ、非礼 聴くこと勿れ、非礼 言うこと勿れ、非礼 動くこと勿れ」と、「顔淵第十二」1 にあります。

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 サウジの高官の発言は、今の政治に対する不平不満を顕しているのかもしれません。

 政治家や官僚など為政者たちは何を目指しているのかと考えさせられてしまいます。国力が低下し、暮らし向きが改善しないのも、こういうところに根本原因があるのかもしれません。