子曰わく、射は主皮(しゅひ)せず。力を為すや科を同じくせず。古の道なり。(「八佾第三」16)
(意味)
「礼射は的(皮)に中(あ)てるだけではない。また、人民を労役に使うとき、体力差で分ける。これがかつて古代で行なわれていた正しい方法なのである。」(論語 加地伸行)
「射」には礼射と武射があるという。武射は実戦用で的にあてることや力強く射抜くことなどが目的で、一方、礼射は礼式用で、音楽に合わせて作法に従って行うという。その際、五善ができていなくてはならないとする。五善のひとつに和容がある。これは礼儀に適った身のこなしや姿のことという。主皮(的にあてること)は五善のひとつにすぎないと加地は解説する。
「科」は区別するとの意味。
この章を朱子は、「射は皮(まと)にあてるを主とせず。力が科(等級)を同じくせざるが為なり」と読むという。
ラグビーワールドカップが終わった。日本代表は念願のベスト8入りした。にわかファンが増え、大いに盛り上がった今回の大会。この先、ラグビーは人気スポーツとして根付くのだろうか。
『力を為すや科を同じくせず。古の道なり』。
その言葉に反するように、166cmの田中が日本代表で活躍する。
自分よりはるかに大きなフィジカルを持つ大男に怯まず、果敢にタックルを繰り返す。
彼が途中出場すると、試合が落ちくように感じる。
自国開催何もかも最高でした😎
— kotaro matsushima (@kouta121315) October 22, 2019
ありがとうございました!#oneteam #japan #文字数制限 pic.twitter.com/m2E59U5sRL
涙もろい一面もあるという田中。そして、日本ラグビーの未来を気にかける。
「自分が苦しかったというか、W杯までの経緯もありますし、努力が報われて結果が出て、そして日本中が盛り上がってくれて……、感極まったんだと思います。家でもけっこう泣いてますよ。
過去のつらかった時期の番組や、日本ラグビーの苦難がテーマの番組を観ては、『日本ラグビーがよくなってくれれば……』と泣いています。主人のその姿を見て、私も涙が出ちゃって(笑)」(出所:Smart Flash)
ありがとう日本!!
— Fumiaki TANAKA (@FumiakiTANAKA9) October 20, 2019
ありがとうラグビー!!
これからも日本ラグビーをよろしくお願いします。 pic.twitter.com/PlYXZzn12G
そんな田中が大男たちに負けぬ小さな巨人に見える。
きっと、子どもたちは小さな田中に勇気をもらったはずだと思う。
写真出所:Wikipedia
(参考文献)