「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

礼 2.0 【その礼を愛しむ】 Vol.60

 

 子貢告朔(こくさく)の餼羊(きよう)を去らんと欲す。子曰わく、賜や、爾(なんじ)は其の羊を愛しむ。我はその礼を愛しむ、と。(「八佾第三」17)

  

(意味)

「子貢が告朔の礼に用いる羊の犠牲を廃止しようとした。それについて孔子はこうおっしゃられた。「賜君よ、お前は羊がむだとするが、私の場合は礼式が崩れるのを残念に思う」と。」論語 加地伸行

   

  今の時代に犠牲(=生贄いけにえ)の話もあろうかと思う。まして、ここ最近ではリアルファーですら、嫌われる傾向がある。

 

 孔子が意味することは理解するが、子貢が羊の犠牲をムダと考えたのは、現代人の私たちからすれば、当然であって、そこに疑問投げかける孔子に不思議を感じる。 

 礼式も時代にあって変化する。礼の本筋を違えなければ、例えば、礼 2.0があっても良いように思う。礼1.0を知りえて、2.0に進化するのだから。

 

f:id:dsupplying:20190905150141j:plain

 
 この言葉の解釈を考えると、如何ようにでも解釈できるなと思う。何も古典に従い、解釈するのが論語であるまい。大筋を外さなければ、現代に合わせた解釈があったほうが良いように思う。とかく、古典はハードルが高いと思われがちである。ハードルを下げる工夫があってもよいと思う。漫画版の論語もあるのだから。

 

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)