「パリ2024 オリンピック」が閉幕しました。閉会式にはトム・クルーズさんが派手なワイヤアクションで登場、次回ロス五輪へバトンタッチするシーンが演出されていました。これこそがオリンピックなのかと感じさせてくれます。
無観客だった3年前の東京大会と対照的に、オリンピック本来の祝祭感が選手の活躍を後押ししたといいます。「フランスは驚くべき舞台を用意してくれた。新たな時代の大会となった」と、IOCのバッハ会長はご満悦だったようです。
日本チームも大活躍する大会でした。レスリングは連日のように金メダルを獲得し、金メダルの獲得数は20個となり、米国、中国に次ぐ数になったといいます。メダル総数は45個、その数以上に様々な感動もありました。
パリオリンピック閉幕へ 戻った「祝祭感」 平和への貢献は道半ば - 日本経済新聞
パリ2024は「広く開かれた大会に」をテーマにしていたといいます。この大会では史上初めて男女同数の出場枠を実現し、市民参加型の企画など新たなオリンピック像を示したといいます。
セーヌ川での開会式ではその演出力に驚き、これぞ平和の祭典なんだなと実感、オリンピックの魅力を再認識しました。4年後のロス大会が楽しみになります。その前の8月下旬から始まるパラリンピックももちろん楽しみではありますが。
論語に学ぶ
関雎(かんしょ)は楽しみて淫せず、哀しみて傷(やぶ)らず。(「八佾第三」20)
関雎は、楽しくはあるが過度にはならない。哀しくはなるが心をひき裂くまでにはならないと孔子はいいました。
この関雎の音楽は、哀楽を生かしつつ節度を守り、その表現は中和を得ているものだといいます。こうした音楽は聞く者の心のけがれを洗い流し、かすを融かしきって、正しい人間性に到達させる、これがもっとも美しい音楽だとするのが、孔子の音楽観といいます。
NHKの朝ドラ『虎に翼』が話題になり、最近のNHKドラマのクオリティの高いとか、社会的問題を正面から描いているとの声が聞かれるようになったといいます。
コロナ禍を経て、以前に比べ社会の在り方が複雑化しています。それにつれて、テレビ番組に求められるものや、楽しみ方も変わってきているのではと感じています。より多様なテーマや、善悪の区別が難しい題材なども、エンターテインメントとして上質であればフラットに受け入れられるのではと思います。(出所:FRaU)
エンターテインメントにおいても、問題提起がされ、それによってみなが何かの気づきを得ることが大切なことのように思います。長く続いたコロナ禍がこうしたうるおいを消し去っていったのかもしれません。感染症が拡がるパンデミック下では政府指示に従わざるを得ませんでしたが、もうそれも終わってのですから、もっと自由を謳歌してもいいのではないでしょうか。今回のパリオリンピックを見てつくづくそう思います。
もう少し普段の生活がスポーツや芸術、音楽によって文なるものになっていくのがよいのかもしれません。これらの活動が以前のようにもっともっと活発になっていってほしいものです。それによって豊かな人間性が形成される一面もあるのではないでしょうか。
「参考文書」
パリ五輪が閉幕 日本「金」20個、海外五輪最多 | 共同通信