「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

深刻化する対立、オリンピックを外交的ボイコットする米国とユニクロの現実的な選択

 

 大きな危機が訪れれば、世界が一致協力し、良い方向に進むのかと思いたいものですが、なかなかそうはうまくいかないが現実の世なのでしょうか。

 米国が北京オリンピックを外交的ボイコットし、また、米下院では中国新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止とする法案を可決したといいます。何もそんなに対立を煽るような行動にでなくてもいいのではないかと思ってしまいます。

極端に走らない

 「人は好むと好まざるとにかかわらずその力に引かれ、栄光か破滅か、運命の導くままにひきずられていく」と、昨日の大河ドラマ青天を衝けで、慶喜公がいっていました。そして、それは倫理や道徳では抑えることが出来ないとも言っていました。そうなる前に、人は「中庸」の位置に立てるようにせねばならないのでしょうか。

 

 

「関雎(かんしょ)は楽しみて淫せず、哀しみて傷(やぶ)らず」と、論語「八佾第三」20 にあります。

 孔子が「詩経」巻頭にある「周南」の第一の詩を引用して、人は哀しむにも楽しむにも総て極端に走ってはならないものであると、戒めていると、渋沢栄一が解説します。

「関雎」とは、「雎」はみさご鳥のこと。「関」は、その鳴き声だといいます。

「関関たる雎鳩は 河の洲にあり 窈窕(おっとり)たる淑女は 君子の好き逑(つれあい)…」

 周の文王が佳(よ)き配偶者(淑女)を求めたが、なかなか見つからず憂悶していたが、ついに見出し、夫妻が仲良く暮らしたという内容といいます。

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「楽んで淫せず、哀んで傷らず、その悪を疾んで、その好きを忘れない人は、節度のある人でなけれ無ければ中庸は得られないものである」と栄一はいいます。

「しかしまた、節度のある人にも、人間たる悲しさ、欠点を伴い、一たび楽しめば淫するほどになり、一たび哀めば傷るるまでになって、極端に走り易い人にもまた棄て難い美点はあるもので、人情に篤く飽くまで他人の世話を焼いて何が何でも面倒を見てやろうと片肌ぬぎになるのは、この種の人に多いものである」ともいいます。

 この一節からすれば、米国は極端に走り過ぎているのでしょうか。

 

 

論語の教え

「子曰わく、道行なわれず。桴(ふ)に乗りて海に浮かばん。我に従う者は、其れ由(ゆう)なるか、と。子路之を聞きて喜ぶ。子曰わく、由や、勇を好むこと我に過ぎたり。材を取る所無し」と、「公冶長第五」7 にあります。

「政府の措置が余り面白く無かったりすると、むしゃくしゃして田舎にでも引っ込んでしまおうかというような気になったりしたものだが、孔子もやはりそんな気になったようだと、栄一はこの章を解説します。

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 人の心として、栄一がいう心情も理解できますが、現代に生きる私たちはなかなかそのように振舞うことは難しいのかもしれません。まして、企業となればそうはいかないかもしれません。

 この章に登場する弟子の子路は、向こう見ずで天真爛漫なところはあったようですが、思慮分別に足らないところもあったといわれます。孔子の嘆きに、心躍ろせ、その勇敢さはいいが、ところで桴はどう作るのかね、子路を戒めたといいます。

 

 

 この難しい時代にあって、私たちも企業も一時の感情にながれされず、節度をもって、行動すべきということなのかもしれません。度胸がないと批判されようと、勇を誇らず、中庸、中立を貫くべきなのでしょう。批判すべきことがあれば、それを当然批判するとして。

 ユニクロの選択

 ユニクロを展開するファーストリテイリングが「2030年度の目標とアクションプランを策定した」と発表しました。

日本企業、人権監視強化急ぐ 強制労働に高まる圧力―ウイグル問題:時事ドットコム

 主な縫製・素材工場に加え、継続して取引のある全ての縫製工場のリストを来年3月に開示するといいます。またこの先、原材料の調達までさかのぼって自社で強制労働の有無を調査できる体制づくりを目指すそうです。

 対象となるものの調達を止めるといえば、一方に顔は立つが、もう一方の顔に泥を塗ることになる。どちらか一方に組すること無く、論点となることに対してのみ、正論を以て対応するというところでしょうか。米中どちらでも事業展開するファーストリテイリングの現実的な解ということなのでしょう。