「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

足踏み続く日本株、世は昭和ブーム、あの頃のようにはいかない現実

 世界の投資資金は、米国株だけに流れる「米国1強」の状況になりつつあるといいます。米株式相場は過去最高値の更新を続けるのに対し、日本株は足踏み状態が続いています。トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなど日本を代表する主力株の一角すら売りに押されることもあるそうです。

出遅れ感強まる日本株 資金フローは米国「1強」 日経QUICKニュース 張間正義 - 日本経済新聞

 日本株の出遅れ感が強まっているといいます。期待先行で高値を付け、もしや日本復活もあるのでないかとの思いを巡らせたものですが、チャンスを活かすことができていないようです。

 

 

  損害保険ジャパンが、企業向け保険のカルテル問題を受けて設置した外部弁護士による調査委員会の報告書を公表したそうです。営業活動を担う125の部や支店などのうち、約77%で不適切行為が確認されたといいます。最も古い不適切行為は1968年にさかのぼるそうです。

ゆがんだ慣習、全て捨てる SOMPO奥村幹夫CEO - 日本経済新聞

事業モデルの古さが浮き彫りになった。(出所:日本経済新聞

「踏み込んだ構造改革を行わないならば、同様の不祥事を再発させ企業として存立が困難になる」、調査委員会はそう指摘したといいます。

 時代に適合しない古くてゆがんだ慣習は何もSOMPOだけではないのかもしれません。政治をはじめ、ありとあらゆるところに、しつこくはびこっていそうです。

 裏金事件、それを単にして明るみになった企業献金の問題。企業においても不正が次々に明るみになり、またモラルの低下による不祥事も相次いでいます。こうした陳腐化した慣習をアップデートできないことが、諸悪の根源になっていそうな気もします。

 

 

論語に学ぶ

述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む。窃(ひそ)かに我を老彭(ろうほう)に比(なぞら)う。(「述而第七」1)

 祖述はするが創作はしない。自分の基本的な態度は、周公以来の礼楽の道をいまに伝えようとすることにあって、自ら新しい型を創り出そうとするものではない。それは殷代の彭祖と同じだとひそかに思っていると孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 古いものを精根こめて学びとろうとするうちに、もし当人に独異の才能があれば、それは必ず表層に現れてくる、しかし、みだりに幼稚な「独創性」をあわてて発揮しようとはしない、そう孔子は言いたかったのではないかといいます。

「述べて作らず、信じて、古を好む」、これが尚古主義の原点ではないかという意見もあるようです。「尚古主義」、古い時代の文物・制度などを尊び、これを模範としてならおうとする考え方で、停滞のもとになるとの見方もあるようです。

 

 

「昭和レトロ」が流行っているといいます。色々な理由があるのでしょうが、衰退を感じる現在にあっては、あの当時の力強さと勝手さに惹かれ、「ニッポンすごい」に憧れがあったりするのでしょうか。

昭和レトロはどこへ行く――令和の若者にウケるわけ|文化|中央公論.jp

 そんな時代を懐かしむのはいいのでしょうが、尚古主義につなげるようなことは避けなければなりません。

 伝統を墨守するようなことではなく、それを現代の火にかけて新しい味わいを問い直してみるべきであって、こうした知的訓練を重ねることで、複雑で混沌とした今の時代を、そして、切実な現実を鋭くまた筋道をたててとらえることができるようになるのかもしれません。またそうすることによって進歩につながっていきそう気もします。永遠の真理の今日的意味をさぐることなくして、新しさが現出することはないのでしょう。

「昭和ブーム」、まさかいい歳の大人までが若者に刺激されて昭和を懐かしみ、ただそれに回帰しようと願っていないかと心配になります。まさかそれが日本の停滞性につながっているとは思いたくないですが。

 

 

「参考文書」

損保ジャパン77%で不適切行為 営業担う125の部や支店のうち | 共同通信

パナHD副社長「想像力が欠如」 カメラ新製品サイト「写真問題」で:朝日新聞デジタル

大谷翔平出禁に続いて…「老いぼれ役員を辞めさせろ!」フジテレビに“モノ言う株主”がブチギレていた…!(マネー現代編集部) | マネー現代 | 講談社

『松本清張の昭和史』~作家・清張の目を通して問い直す昭和前期の日本:日経ビジネス電子版