「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

アップルが発表したAI戦略「Apple Intelligence」、株価は上場来最高値更新

 米アップルの開発者会議 WWDCが開催され、チャットGPTを含む最新のAI 人工知能をソフトウエアに組み込むと発表しました。発表後、端末の使いやすさの追求に過ぎず、生成AI自体の開発遅れを印象づける形になったためか、株価は下落しました。

Apple、期待外れの自社生成AI「Apple Intelligence」 収益源iPhoneに影 - 日本経済新聞

 しかし、日が改まると反転、一時3.5%高となり、上場来最高値を更新しました。この新しいAI「Apple Intelligence」がiPhoneの買い替えサイクルを促す可能性があるとみられたことが理由のようです。

 

 

 AIが不適切な回答をしないように「慎重に学習データを選び、試験を繰り返した」と、アップル幹部は記者を集めた説明会で説明したそうです。

Appleの生成AI、3段階で安全対策 クラウドにも秘匿性 - 日本経済新聞

 また自社開発の半導体を使うことなどによって、3段階での安全対策に取り組み、「責任ある形でAIを用いることに自信をもっている」と述べたといいます。

 こうしたアップルの姿勢と提供されるプロダクトが期待を抱かせ、株価の上昇につながっていくのでしょうか。

 翻って日本、ニコニコ動画サイバー攻撃を受けダウンし、LINEヤフーは不正アクセスを受け、40万件以上の個人情報が漏洩、総務省から2度も行政指導を受ける事態になっています。

 こうしたことが続くようであれば、安全・安心が脅かされ、いつまでたっても信頼を築くことが難しそうです。米アップルとの徹底的な差ではないでしょうか。これでは世界で戦うことはとてもできそうにはありません。

 

 

論語に学ぶ

参(しん)。吾が道は一以て之を貫く、と。曾子曰わく、唯(い)、と。子出づ。門人問うて曰わく、何の謂いぞや、と。曾子曰わく、夫子の道は、忠恕のみ、と。(「里仁第四」15)

 「参よ。わが人生は、一つの道理で貫いてきたのだ」と孔子はいいました。曾子は「さようでございます」と答えました。孔子が部屋を出てゆき、友人の弟子が曾子に「何のこと」と尋ねました。曾子は「孔子の人生は、「忠恕」自分の良心に忠実であることと、他人に対して思いやりの深いこと、それ尽きる」と答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 「忠」は自己に対する誠実、「恕」は他人に対する思いやり。二つ合わせて人間に対する愛情になるといいます。こうした素養は洋の東西を問わず、人として共通なことではないでしょうか。

 

 

 最近の日本はどうにもこういうところが弱くなっていそうです。政治然り、企業もまた然り。

岸田首相「何がやりたいのか」の指摘に「明日は今日より良くなる姿を」強調も国民には響かぬ答弁 - 社会 : 日刊スポーツ

 首相の主張がすべて間違っているということはないのでしょう。しかし、どんな美しい言葉で理想論を語ってみたところで、信頼されなければ、それは空虚なもので、詭弁になってしまいます。「忠恕」が決定的に欠けていそうです。

 それさえ守ることができれば、アップルのように深い信頼を得て、莫大な富も築くことができるのではないしょうか。残念なことです。

 

 

「参考文書」

アップル、AIの新機能発表-オープンAIと提携でChatGPT統合 - Bloomberg

アップル株上昇で最高値更新、AI機能がiPhone需要喚起との期待感 - Bloomberg

LINEヤフー、難易度高いNAVERとの資本関係見直し :日経ビジネス電子版