子曰わく、参(しん)。吾が道は一以て之を貫く、と。曾子曰わく、唯(い)、と。子出づ。門人問うて曰わく、何の謂いぞや、と。曾子曰わく、夫子の道は、忠恕のみ、と。(「里仁第四」15)
(解説)
「孔子が呼びかけられて、こうおっしゃった。「参君よ。わが人生は、一つの道理で貫いてきたのだ」と。曾子は「さようでございます」とお答えになられた。孔子が部屋を出られた。友人の弟子が曾子にたずねねた。「何のこと」と。曾子はこう教えられた。「老師の人生は、まごころ(忠)と思いやり(恕)と、それ尽きる」と。」(論語 加地伸行)
八村塁がNBAにデビューし、瞬く間に活躍し始めている。
デビュー戦は試合に負けたが、14得点、10リバウンドのダブルダブルと活躍を見せた。そんな八村だが、留学当初は英語にも苦しんでいたそうだ。
バスケットとの向き合い方の話になり、「ここまで来たら、人生をかけてのこと」ときっぱり言った八村。 (出所:日本経済新聞)
八村は、西アフリカのベナン出身の父と日本人の母の血を継ぐハーフ。そのルーツに誇りを持ち、自信をみせるとNumberWebは伝える。
「僕のひとつの目標というか、小さい子たちをインスパイアするような、そういう人になりたいとは思っているんです」と八村。
「かといって何をするっていうわけでもないです。僕は自分がやるべきことをやって、結果出していけば、それは子供たちが見ていると思うので」(出所:NumberWeb)
ハーフであることに苦労した経験があるこその言葉のように思える。
「忠」は自己に対する誠実、「恕」は他人に対する思いやり。二つ合わせて人間に対する愛情ということになるであろうと桑原は解説する(参考:論語 桑原武夫)
富山に育ち、富山を愛する八村。「山に囲まれて、目の前が海。守られている感じがして、それがすごい好き」と語るそうだ。(出所:サンスポ)
吾が道は一以て之を貫く
同年代にサニブラウンがいる。サニブラウンの活躍に刺激を受けると八村は言う。常に、自分を見ている子供たち、特に同じハーフの子たちから見られているということを意識しているとNumberWebは伝える。
そんな八村の姿に忠恕を見る
(参考文献)