東京都知事選の選挙掲示板をジャックした政治団体が政見放送もジャックしているようです。登場する立候補者みなが同じ内容をしゃべり、YouTubeチャンネルへのアクセスを求めています。選挙がすっかり「アテンション・エコノミー」に取り込まれてしまったようです。
揺れる「民主主義の根幹」 選挙妨害、掲示板占拠も/2024東京都知事選 – デーリー東北デジタル
先の補欠選挙でも選挙妨害が問題となりました。その時も収益狙いがあったのではないかといわれていました。「民主主義の根幹」である選挙制度が揺れているといいます。
安倍元首相が銃撃事件で亡くなられたとき、「民主主義の根幹を揺るがす行為」とあれだけ騒ぎ立てていたのに、もうあの時ほどの熱意はなくなってしまったのでしょうか。
政治倫理とか良識というものがすっかり壊れてしまったようです。政権与党の面々が、脱法行為と罵られながら平然とおカネを集めている事実があるのですから、それをまねたような行為を他の政治団体が行っても非難できそうにありません。しようがないよねと言わざるを得ないのでしょうか。
アテンション・エコノミー(関心経済・注目経済圏)とは、情報の質よりも人々の関心や注目を集めた方が経済的利益が大きいことを指摘した経済学の概念である。SNSの普及によりアテンション・エコノミーがもたらす負の側面が問題視されている。(出所:日本経済新聞)
論語に学ぶ
子、衛の霊公(れいこう)の無道を言う。康子(こうし)曰わく、夫(そ)れ是(かく)の如くんば、奚(なん)ぞ喪(うしな)わざる、と。孔子曰わく、仲叔圉(ちゅうしゅくぎょ)は賓客を治め、祝鮀(しゅくだ)は宗廟(そうびょう)を治め、王孫賈(おうそんか)は軍旅を治む。夫れ是の如し。奚ぞ其れ喪わん、と。(「憲問第十四」19)
孔子が衛国の君主霊公が無道であると非難しました。すると季康子が「そのようであるのに、どうして、国君の地位を失わないのだ」と尋ねました。孔子は「仲叔圉が外国使節に応対し、祝鮀が国家祭祀を司り、王孫賈が軍隊を掌握しております。そうでありますかぎり、国君の地位は揺るぎませぬ」と答えました。
「霊公」、夫人である南子を寵愛し、喜ばせるためだけに、彼女の愛人だった宋朝を重臣として迎えたといいます。「仲叔圉」、諡に「文」を得て孔文子と呼ばれた人。「文」は「学に勤め問うを好む」人柄を表しているそうですが、一方で品行はあまりよろしくはなかったようです。「祝鮀」、口才に優れた人物。「王孫賈」、権臣。
国が道を外そうが、それなりに賢い人物があれば、 とりあえず国は治るということのようです。
今の日本も「道」を失っているのかもしれません。
円が売られる地合いとなって円安傾向が続いています。これといった有効な打ち手がないようです。実態を見透かされてもてあそばれているようにも感じます。
「円の実力」は過去最低 64カ国・地域で最大の下落 | 毎日新聞
「円」の実力が急速に低下、信頼もしぼんでいるようです。輸入大国にあって、負担感が増大している状況になっているといいます。
税収増
他方、国の一般会計税収は順調に伸長し、2年連続で70兆円を超える見込みで、過去最高を更新するか注目が集まっているといいます。
【速報】23年度税収、2年連続で70兆円超へ|47NEWS(よんななニュース)
政府は見積もりを上回った分の税収を防衛力強化や国債の償還に充てるそうです。防衛力強化のための増税はどうなるのか気になるところです。また、歴史的な物価高で消費税収も大幅に増加しているといいます。それは単に国民の負担感が増していることにすぎないといいます。
権力争い号砲
裏金国会が終わり、自民党では首相批判が噴出し、岸田降ろしの号砲がなったようだといいます。
岸田文雄首相批判、自民党内から噴出 菅義偉氏「このままでは政権交代」 - 日本経済新聞
「自身の責任に触れずにここまで来ている。不信感を持つ国民は多い」と菅前首相が首相の姿勢を批判しています。責任論に踏みこみ、党総裁の再選をうかがう首相を不出馬に追い込む狙いのようです。退陣を事実上迫ったとも同じといいます。
国が乱れるのもよくわかります。いつになったら失った「道」を回復できるのでしょうか。