政治の混乱は日本だけではないようで、欧州もまた混乱しています。フランスでは、マクロン大統領が欧州議会選での敗北を受け、突如国民議会を解散すると言い出し、選挙を前にして政党の合従連衡が活発になっているといいます。
フランス野党・共和党、党首を除名 極右と協力宣言巡り - 日本経済新聞
「国民連合(RN)との連携、右派の思想を支持する全ての人の連携だ」、中道右派の共和党が極右政党との協力を決めましたが、党首が除名され、協力を見送る方向になったといいます。一方、左派の政党は大連合を組むそうです。マクロン大統領の与党連合が下院選で巻き返せるか、状況は混沌としているといいます。
日本もゴタゴタ劇が収まりません。「ムジナ3兄弟」と揶揄される自民、公明、維新が混乱の元のようです。旧文通費の使途を公開するための関連法改正をめぐっては、今国会での実現に消極的な姿勢を示した自民党に対し、維新が「うそつき内閣」などと噛みつき、首相が弁明していました。
旧文通費、自民は今国会での見直し消極的 維新反発「うそつき内閣」 [自民] [維新]:朝日新聞デジタル
公明は「自民党はなかなか具体策を出さずグズグズし、あっちの補欠選挙、こっちの知事選挙と、どんどん負け続けた」と自民の鈍重さを批判しますが、一方で、連立から離脱の気配はなく、「ご都合主義」のような対応を続けています。選挙で自民と共倒れになるわけにはいかないとの判断があるからだといいます。何だかなと思う状況が続きます。
これでは国民生活が向上することはなさそうですし、社会にも悪い影響を及ぼしていくのではないでしょうか。
論語に学ぶ
魯、衛の政(まつりごと)は、兄弟(けいてい)なり。(「子路第十三」7)
魯と衛の政治は兄弟のようなものだと孔子はいいました。
魯、衛ともに、周王朝を建てた武王の2人の兄弟がよって統治されていました。建国当初はよく治まっていたそうですが、その後、政治は乱れていったといいます。この孔子のことばはそれを嘆いてのことといいます。
長期政権の権威主義国ばかりでなく、民主主義国家の政治も乱れているのが今の世界のようです。こうなるとどっちもどっちのように見えます。G7サミットが始まりましたが、集まる首脳はみな国内政治に問題を抱え、不人気で低支持率に喘いでいるといいます。民主主義が機能せずに、衰退していないでしょうか。
七夕、首都決戦
来月七夕に東京都知事選が実施されます。立候補が多数になるようですが、実質的に現職の小池知事と立憲民主党を離党した蓮舫氏の一騎打ちとの見方のようです。
日本維新の会、東京都知事選挙で独自候補擁立断念 馬場伸幸代表が表明 - 日本経済新聞
男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」が118位と低迷を続ける日本にあって女性候補同士の争いは喜ばしいことです。しかし、変わらぬ顔にどうなのかなと感じるところもあります。今の日本政治の実情、混乱ぶりをよく表しているのかもしれません。
こんな政治に振り回されるのはもう懲り懲りです。一刻も早く混乱を鎮め、政治を一から作り直すくらいになっていって欲しいものです。
政治家の能力に問題はないのでしょうか。複雑で変化の激しい、このデジタルの時代に見合う能力を有しているのか、甚だ疑問です。まずはこの時代に適合するよう「政治倫理」「政治道徳」を再定義するところから始める必要がありそうです。
国民にリスキリングを求める前に、まずは政治家が自ら率先してアンラーニング 学習棄却して、古めかしく不適切になった習慣、知識、価値観などを棄て、新たに妥当性が高く、有用なものを学び直し、身につけてほしいものです。
「参考文書」
欧州右旋回、アジアに冷風 東欧・バルトとの連携に活路 本社コメンテーター 秋田浩之 - 日本経済新聞
フランス、極右を軸に右派連合 金融市場はトリプル安 - 日本経済新聞
裏金に「気付かなかった」場合、議員はセーフ…自民が認める 野党「今までと同じ」 あちこち抜け穴の自民案:東京新聞 TOKYO Web
ジェンダー平等118位、G7最低 男女格差の解消、停滞続く日本:朝日新聞デジタル