「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

進まない社会の変革、危機感なしの企業に政治、求められるアンラーニングにリスキリング

人生100年時代」、「生涯現役」があたり前になると考えなければいけないそうです。会社に漫然としがみつくのではなく、幸せな人生をつかむため、生活の安定も得るためには、自らの力でキャリアを形成、そのためには継続的に学習に取り組まなければならないといいます。

今、日本に求められるのは、高度成長期の成功体験と、「失われた30年」で染みついた縮小均衡型思考のアンラーン(学習棄却)であり、リスキリングを起点とする個人、企業、社会の変革である。(出所:日本経済新聞

 たいへんな時代、困難な時代になったとつくづく感じます。しかし、これが現実なのかもしれません。ただ重すぎる表現のような気もしますが。

 

 

 充実した社会保障があって、それが安全基地となって将来不安が解消されれば、人はおのずと挑戦、チャレンジ精神をとり戻しそうな気がします。失敗してもやり直すことができる社会のしくみがあればなおいいのかもしれません。しかし、現実はそうなっていませんし、そうしようとの動きもまたないように思います。

「リスキリングはこれからの生存戦略」有識者会議提言 個人主体・企業主導の社会変革に向けて - 日本経済新聞

 そんな状況下で、自分を鼓舞し自ら不安を解消していく、それはそれで素晴らしいのでしょう。しかし、それにはまだまだ良い環境が整っているとは言い難いのではないでしょうか。政治の失敗といっても過言ではないような気がします。

 誰もがみな自分で思い描いたように生きることができる社会が理想なのでしょう。そうなるように政治が機能し、好ましい空気を作り、制度を整えアップデートし続ければ、社会の停滞もなくなっていくのではないでしょうか。

【点描・永田町】「全敗」でも会期末解散狙う首相:時事ドットコム

 しかし、政治は相変わらずです。政治資金規制法改正の議論はかみ合わず、政治改革を完遂させようとの意思すら感じません。世を揺るがした裏金事件をさておき、保身、権力争い、駆け引きに明け暮れているようです。

 

 

 ライドシェアを巡っては、超党派による議員たちが全面解禁を求めるのに対し、政府内には意見が対立があるといいます。

ライドシェア タクシー会社以外への拡大の是非 調整へ 政府 | NHK | 自動車

 そもそも人手不足があり、それに地域の問題も加わり、妥協策を見出すことが困難になっているように思われます。今の政治の限界なのかもしれません。こういう見地からしても、政治改革が求められていそうです。野党が主張する企業・団体献金の禁止はリーズナブルなことのように思えます。献金によって判断に曇りが生じ、合理性を失うことになるのなら。

論語に学ぶ

学んで時に之を習う、亦た説ばしからず乎(またよろこばしからずや)。

有朋遠方より来たる、亦た楽しからず乎。人知らずして慍らず(いからず)、亦た君子ならず乎。 (「学而第一」1)

 一つの学説を知り、それにもとづいて他の本を読んでみたり、自然や社会の現象を解いてみたりする。そうしたよろこびは、何かを本気で、うちこんでみたことのない人にいはわからない境地である。しかし、それは何と楽しいことではないか。こうして学びをしているとおのずと仲間ができる。学友が遠いところやって来て、談笑のうちに真実を探る。何と楽しいことではないか。ただ学問をしていても人に知られない、自分の能力が社会から認められないことも往々にある。しかし、そうしたことに腹を立てたりはしない、そういう君子、品格の高い立派な人物というべきではなかろうかと孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 

 

「リスキリング」、生涯を通じて必要なスキルを獲得し、自分自身の可能性を広げ続けることが、これからの時代の生存戦略で生き抜くカギとなるといいます。それは、個人ばかりでなく、政治、企業においても同様なのでしょう。現下の社会情勢を鑑みて、個人はいち早く危機感を持ち始めているようにも思えます。それゆえの漠然とした将来不安や心配なのかもしれません。

 

 

 政治も政治なら、企業も企業、どちらも不祥事や不正ばかりで、脱法行為もまかり通っています。ほんとうの意味で危機感をもってはいないのでしょう。こういう人たちこそ、アンラーン(学習棄却)が必要なのかもしれませんし、リスキリングを通じてマインドセットを新たにする必要があるのでしょう。学習なしにいつまでも守旧派のままで、巻き返し図って改革を後退させるようなことがあってはならないのですから。